ドレスコーズ、暑い夏の思い出@日比谷野音

ドレスコーズ、暑い夏の思い出@日比谷野音

昨夜のドレスコーズ野音、真夏の夜のロックンロールの夢からまだ抜けられない人は多いのでは? じりじりと残り陽が照りつける中、いきなり新曲“ドゥー・ダー・ダムン・ディスコ”(2010年代版プライマル・ミーツ・ストゥージズみたいな)を投下、続いて“誰も知らない”、“Automatic Punk”と、まるで太陽へのゲリラ戦みたい。“ベルエポックマン”“ロリータ”“ゴッホ”“トートロジー”“バンド・デシネ”といったみんなで楽しめる定番曲はもちろん、アンコールでは三浦康嗣(□□□)がゲストとして登場。9月24日リリースの『Hippies E.P.』ではアレンジや演奏など全面的に関わっているそうで、ラップの共演などいち早くコラボレーションを聴かせてくれた。 ダンスシューズを履いて踊り続ける、という童話『赤い靴』みたいなモチーフは、ロックンロールし続けることのロマンティックな比喩として、志磨の歌詞にはしばしば登場する。それを新たな形で体現し、オーディエンスと共有するのがEP(5曲入り)のテーマなのだろ
う。新曲の進化に驚いていたファンもたくさんいたが、そういえばファーストの頃もそうだった。個人的には、“Ghost”“メロディ”が一瞬で好きになりました。 あと、もうひとつ印象的だったのは、三浦さんに促されての、メンバーのMC(ほぼ初?)。ベースのハルくん(山中治雄)の「僕たち仲良しなんです」という一言は会場を和ませていたが、だからこそ、(今回の新曲も含め)こんなになんでもありの楽曲が平気で生み出されるのだろう。感動的だった2度目のアンコール、“1954”“Trash”はそんな4人の出発点だ。 “1954”の「ぼくらは うまくやれるかな 憎めるかな また許せるかな 信じてもいいかな」という歌詞――よろよろしてまだうまく立てない生まれたての山羊や馬の赤子みたいな感じが愛おしい。 「いつだって僕は正しい、それがロックンロールだから。僕は間違ってなんかない、だって僕だから」とMCで繰り返していた志磨。今再びそう言えるのは、ドレスコーズという不安や怖れを音で共有して
きた仲間が側にいるからなのだろう、と素晴らしくかっこいいエンディングを観ながら思った。 詳しくは、後ほどアップされるライブレポートを読んでください。またCUT2013年11月号(能年玲奈表紙号)には、“ゴッホ”のPVに出演したリリー・フランキー×志磨遼平の対談を掲載しました。まだのかたはぜひ。(井上)
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