本日、発売となった『るろうに剣心 京都大火編』ブルーレイ/DVDの豪華版についている小さなCUT、ご好評いただいているようで嬉しいです。
以下、そのブックレットに書かせてもらった文章になります。
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「1作目の『るろうに剣心』の主題歌として“The Beginning”を書くとき、この映画に携われることによって、この先の僕の人生において何かが始まっていく感じがしたんです。そして今回の二部作の話をもらった時、これは心中ものだと思って“Mighty Long Fall”を書いたんです」
これはONE OK ROCKのTakaが、このブックレットにも収録している佐藤健との対談のなかで、映画『るろうに剣心』シリーズの主題歌について語った発言である。
自分のなかに、それを形にせずには死ねないような熱い思いがある。それに気づいてしまった瞬間から命が疾走し始めて止まらなくなる。そして、体が千切れる寸前までその思いを燃やしきったときに見える風景とは――ONE OK ROCKによる3曲の主題歌からもそんなストーリーが感じられると思うが、きっと映画『るろうに剣心』に関わった人々は全員、それぞれの立場なりに全く同じ思いを持ちながら、同じストーリーを体験したのではないかと思う。そして僭越ながらCUTという雑誌もまた同じ思いを持ちながら『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』に関わらせてもらった。
1作目の『るろうに剣心』を観て僕は、すぐに大友啓史監督にCUTの誌面で連載を持ってくれるように打診し、監督は二つ返事で快諾してくれた。そして僕はその連載を通じて大友監督と、ゲストとして登場する大友組を中心とするスタッフと毎月会って言葉を交わすようになり、『京都大火編/伝説の最期編』の現場にも足を運ぶ機会が増えた。そして山形県の庄内映画村での取材を2014年1発目のCUTの表紙にしたいと打診――まだ公開まで半年以上ある、異例のタイミングでのオファーにも拘わらず、関係者はみなとても喜んでくれてそれは実現した。佐藤健のクランクアップの日、何度も撮影はできない「雨ふらし」がある極めて緊張感の高いシーンにカメラを入れさせてほしいというオファーも快諾してくれた。佐藤健とTakaの貴重な対談を『京都大火編』と『伝説の最期編』の公開日の狭間の号の表紙にしたいというオファーも快諾してくれた。どれもこれも無茶なお願いばかりで今思えば我ながら図々しいと思うのが、なぜか答えはいつもあっさりOKだった。たぶん、どれも映画『るろうに剣心』に関わる雑誌である以上、これをやらずには死ねるものかという思いでお願いした企画ばかりだったからだと思う。
そんな企画のなかでも特に主要なものたちが、こうして1冊のブックレットになってパッケージに収録してもらえて本当に幸せです。これもまた無茶なアイディアとしてCUT編集部から提案したものだったが、またもやあっさりOK。本当に熱くて、狂っていて、人間らし過ぎる人々がこの映画を作っていることを、このブックレットを読んで感じつつ、本編を楽しんでもらえたら本望です。
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そして明後日発売のCUTには、映画『るろうに剣心』シリーズ総括特集を掲載。
内容は、以下の通り。
・佐藤健、最新フォトセッション
・佐藤健×大友啓史(監督)×谷垣健治(アクション監督)が映画『るろうに剣心』シリーズとは何だったのかを徹底的に語り合う特別鼎談
・連載『大友啓史のA ROLLING STONE GATHERS NO MOSS!! 転がる石に苔は生えねぇ!(特別編)』ゲスト:田中泯
今回も『るろうに剣心』×CUTのコラボは熱いです!
お見逃しなく。(古河)