『Q』を目撃!クイーン『オペラ座の夜』×野田秀樹版ロミオとジュリエットが素晴らしすぎて…

『Q』を目撃!クイーン『オペラ座の夜』×野田秀樹版ロミオとジュリエットが素晴らしすぎて… - Photo by KATSUMI OMORIPhoto by KATSUMI OMORI

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“ラヴ・オブ・マイ・ライフ”が頭の中で鳴っている。『Q』: A Night At The Kabukiを観てからずっと。
奇想天外でありながら、本当にせつなく美しいラブ・ストーリーだった。
演出や身体表現の鮮やかさに驚き、時に痛烈な社会風刺に爆笑し、恐怖に震え、最後には時代も国境も越えた“祈りのメッセージ”に大きな衝撃を受けた。

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本作は、野田秀樹がクイーン『オペラ座の夜』を全曲フィーチャーし、12世紀末の日本を舞台に新たな『ロミオとジュリエット』として描いた、まさに時空を越えたコラボレーション作品。
もしもロミオとジュリエットが生き延びたとしたら……という設定で、その後のジュリエットを松たか子、ロミオを上川隆也が、若き日のジュリエットを広瀬すず、ロミオを志尊淳が、それぞれ演じる。

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たった5日間――432000秒の恋が、死という悲劇に終わらぬよう躍起になって運命の先回りをしようとするスリリングな切迫感と予想不能な展開に、一瞬たりとも舞台から気を抜けない。

運命や時代、社会といった巨大なものに抗いながら、“自分の生”を取り戻そうとするその姿は、ロックに通底するテーマでもあり、フレディ・マーキュリーの生き方とも繋がっていく。

ブライアン・メイは今回のコラボレーションについて、「『オペラ座の夜』が持つ演劇性を本物の舞台演劇にして下さることになり、大変嬉しく、そして光栄に感じています」と語っている。

“ボヘミアン・ラプソディ”を収録した4枚目のアルバム『オペラ座の夜』(75年)は、ロック史に残る名盤であり、かつクイーンにとっても金字塔ともいうべき作品だが、同時にバンドの実験&チャレンジ精神や、とりとめがないほどの多様性、そしてメンバー4人のキャラクターや個性が炸裂した、とても面白いアルバムでもある。

憎悪、ユーモア、友情、愛、裏切り、予言、運命のいたずら、などといった多彩なテーマや感情が各楽曲で表現されていて、それが今回まったく別の物語の中で、別の肉体から放たれていく驚きは例えようもない。
待ってました!とばかりファン冥利につきる演出ももちろんあるし、明らかに曲からインスパイアされて生まれたと思われる場面もある。“デス・オン・トゥ・レッグス”や“うつろな日曜日”の展開にはわくわくするし、フォーキーなサウンドにのったSF叙事詩“‘39”(男が1年経って宇宙船から帰還したら地球では100年が過ぎていたという物語)は舞台を観て改めて聴き返すとより深いせつなさを感じた。
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ちなみに楽曲にインスパイアされた劇や、舞台用に書かれたアルバムはあれど、アルバム一枚を丸ごと舞台にする(それをアーティストが許諾する)という例はロック・シーンでは初めての試みらしい。
そもそもの企画は、ボウイ展「DAVID BOWIE is」を日本に招いたソニー・ミュージックエンタテインメントと、音楽出版社として日本でのクイーンの楽曲管理を手掛けるソニーミュージック・パブリッシングが『オペラ座の夜』の舞台化を目指し、野田氏にアプローチしたことがきっかけ。映画『ボヘミアン・ラプソディ』現象が起こる2年前から進行していたというから驚く。

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そして、本公演のもうひとつ大きなトピックは、上川隆也、広瀬すず、志尊淳、竹中直人など主要キャスト10人中6人がNODA・MAP初登場だということ! しかも、連ドラ『なつぞら』を終えたばかりの広瀬すずは、なんとこれが初舞台‼ 複雑な物語と特殊な身体表現を持つ作品で、この凛とした初々しい威厳と完成度はとんでもない。
さらに、華麗なアクションもロマンティックで情熱的な恋語りも目が離せない志尊淳の完璧な貴公子っぷりに、惚れ直すファンも多いはず。

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これまで舞台にあまり馴染みのなかった方もきっと虜になるだろう、ポップで斬新で感動的な『Q』。全公演当日券販売ありとうたわれているので、見逃さないでほしい。

CUT12月号(11月19日発売)では、野田秀樹さん×広瀬すずさん×志尊淳さんの鼎談を独占掲載します! 広瀬さんと同じヘアスタイルで舞台を奔走する野田さんの役も演技もやっぱり最高! こちらもぜひお楽しみに。(井上貴子)
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