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    細田守が12年ぶりに描く、仮想世界の光と闇。最新作『竜とそばかすの姫』を語り尽くす

    細田守が12年ぶりに描く、仮想世界の光と闇。最新作『竜とそばかすの姫』を語り尽くす

    細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』が、いよいよ本日公開しました。7月19日(月)発売のCUT8月号では、作品の魅力に迫るインタビューを掲載しています。大ヒット作『サマーウォーズ』から12年ぶりに“仮想世界”を描いたという本作。12年の年月の中で、私達を取り巻くインターネットの世界は大きく変貌を遂げましたが、細田監督はなぜこのタイミングで再び“仮想現実”の世界を描こうと思ったのでしょうか?

    『サマーウォーズ』のときは、インターネットという新しい道具を全世代で使って、肯定的な未来を思い描けるような作品にしたかった。インターネットをエンタメで描く時って、大概は新しい技術を批判的なものとして描いたり、人間の暗部を浮かび上がらせるために使うじゃないですか。でも僕はそうじゃない形で描いてきた。そう考えると、これだけ肯定的な映画を作り続けている人って、世界中でも僕くらいなのかなと思いますよね(笑)。ただ、そういう尺度でインターネットをとらえてきた僕ですら、『サマーウォーズ』から10年経った今のネット環境は、だいぶきついものになってしまったと感じるんです。不満の捌け口として誰かを攻撃してスカッとするといった一種のいじめが、表現の自由の名のもとに公然と認可されてしまうような、殺伐とした世界になってしまった。それでもインターネットを肯定的に描く方法って何かあるんだろうか、というところが、今回の映画を考えるきっかけでしたね


    コロナ禍で目まぐるしく環境が変わってしまった私達の生活に、より身近なものになったインターネット。“仮想世界”を通して監督が伝えたかったことをお伺いしました。

    この『竜とそばかすの姫』を企画したときよりも今のほうが、より抑圧とか閉塞とかに日本人が苛められてしまっていて。コロナ禍で10年先の未来がやってきてしまった、みたいなことがよく言われていますけど、みんながすごく辛い思いをしている状況がある。その中でこの映画にできることは何なのか、非常に難しいですけど、10年前よりさらに身近になったインターネットの中ではいろんなことが起きていて、それでも肯定的に未来を見るには何が必要なのかを一緒に考える機会になったらいいのかなと思います。そういうつもりでこの作品『竜とそばかすの姫』を作っていますね


    数多くの名作を生み出してきた細田監督の、作品にこめた思いが伝わるボリュームたっぷりのインタビュー。映画を観たあとは、ぜひCUT8月号もチェックしてください!(畠山このみ)

    CUT2021年8月号は現在以下にて購入可能です。

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