<星(ステラ)>獲得のために家族旅行へ出かけるフォージャー家が巻き込まれる事件は、家族の危機、ひいては世界平和の危機に――!? という、あらすじだけでもすでにわくわくが止まらない今回の劇場版。放送中のTVアニメ『SPY×FAMILY』Season2のシリーズ構成も務める大河内一楼さんが脚本を手掛けた完全新作ストーリーで、原作者の遠藤達哉先生が監修・キャラクターデザイン原案を務めているというのだから、期待は膨らむばかり!
CUT1月号では、『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』特集を敢行。ロイド・フォージャー役の江口拓也さんと、本作のゲスト声優として悪役コンビを演じる中村倫也さん×賀来賢人さんが登場してくれています。全文はぜひ本誌でお確かめいただきたいのですが、今回は作品リード文をお届けします。
―――
人はみな、演じながら生きている。
それはスパイや殺し屋、超能力者といった大それた姿ではなくとも、「夫/妻はこうあるべき」「友達なんだから」「良き上司/部下でありたい」など――私たちは無意識に「役」演じている。もちろん、そうやって演じることで物事が円滑に進むことは多い。しかしその「役」からふと外れたときに、演じ続ける自分に疲れてしまう瞬間だってあるし、嘘ではない本物の自分を受け入れてほしいと願うことだってある。
『SPY×FAMILY』は、偽りの家族の物語だ。ロイド、ヨル、アーニャはそれぞれ仮初の姿でフォージャー家に居て、それぞれの任務を全うしている。けれど、ロイドは戦争孤児である自分のような存在をこれ以上生まないために、ヨルは理想の世界に近づけるために、アーニャは自分の居場所を得るために――理由は違えど家族を守ろうとする過程、その中で変化する思いには、ロイドたちの「本当」がある。嘘で塗り固めた偽装家族の物語は、突飛なようでいて私たちと通ずるものがあり、だからこそ、心が揺さぶられる。フォージャー家がどんな「本当」をつかみ取るのか、見守られずにはいられないのだ。
この12月、そんな『SPY×FAMILY』の劇場版アニメがついに公開する。大河内一楼が脚本を手掛ける完全オリジナルストーリーで、この家族はどんな「本当」と出会うのだろうか。劇場版のキーマンたちに話を訊いた本特集を、わくわくっ!しながら楽しんでほしい。(阿部文香)
―――
TVシリーズでも丁寧に描かれているアクションシーンも、視聴者を虜にし続けるアーニャの愛くるしさも劇場サイズにスケールアップすることに加えて、シリーズ史上最大の任務(ミッション)になると銘打たれているだけあって、迫力満点であることは間違いないはず。劇場へ行く前に、観た後に、そしてもう一度劇場へと観に行く前にも、何度も繰り返し読んでいただけたら嬉しいです!
CUT1月号は現在以下より購入可能です。
タワーレコードオンライン