くるり@武道館
2011.03.07 23:02
とてもとても素晴らしいライブだった。
今年で結成15周年ということだが、なんていうか、貫禄というか、余裕というか、めちゃくちゃ完成度の高いパフォーマンスをさらりとやってのけてしまう彼らのスタンスが、観てる側として、とてつもなく心地よかった。
まったく気負いする必要ないというか、こっち側がマイペースで楽しめて、マイペースで感動できる空間をまさにバンドが提供してくれていた感じ。
たとえばアンコール。まさに大団円に相応しいアンサンブルによる演奏だったのだが、それがまた物々しいクライマックスとしてプレゼンされているわけでもなくて、あくまでそれまでの流れの一環として聴けたのが、逆にとてつもなく感動的だった。
個人的にも『まほろ駅前多田便利軒』のために書き下ろされた“キャメル”、そして最近試写を観たばかりの是枝裕和監督の新作『奇跡』のために書き下ろされた“奇跡”が、ともにアンコールで演奏されたのが嬉しかった。
特に“奇跡”はライブを締め括る新曲として演奏され、これがまたバンドの“次”を示唆するエンディングで素晴らしかった。
ともに文句なしの名曲だっていうのも、また憎い。(内田亮)