NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』、第7週「おらのママに歴史あり」が終わりました。
アキ(能年玲奈)の母・春子(小泉今日子)がかつてアイドルを目指していたことが発覚し、そして遂に封印していたその「歌」をカラオケで披露するまでがストーリーのメインでした。
このシーンで歌われ、80年代の流行歌という設定になっている“潮騒のメモリー”は作詞・宮藤官九郎、作曲・大友良英/Sachiko Mによるオリジナル曲。
小泉今日子の歌声によって、この80年代という時代を半ば強引に総括するような架空の流行歌が歌われるこのシーンは『あまちゃん』前半のハイライトと言ってもいいかもしれませんが、なんと宮藤官九郎は、この歌詞を5分で書いてしまったそうです。
あと今週、もうひとつポイントだったのは夏ばっぱ(宮本信子)の、自分の娘が家出しても追わなかった「去る者は追わず」の生き方の根っ子に何があるかが垣間見えたこと。
遠洋漁業の漁師であり1年に10日間ほどしか家に帰らない生活を続けてきた夏の夫の忠兵衛(蟹江敬三)は、心臓が良くないので漁師を引退することを決めスーパーの鮮魚売り場で働き始めるが結局、我慢できなくなって再び遠洋漁業に出ることを決めます。
珍しく、あからさまに落ち込む夏ばっぱ。
初めてゆっくりと忠兵衛と暮らせることに喜びも感じていた矢先でもあり、しかもただでさえ危険な仕事に心臓が悪いまま出ようというのだから無理もありません。
しかし結局「行け行け! インド沖でもどこでもさっさと行け! もう帰ってくんな」と言い放ち、忠兵衛は「去年もおととしもそう言われた」と言います。
おそらく、これからさらに深く描かれていくと思いますが「去る者は追わず」が夏ばっぱの人の「愛し方」なのではないかと感じたシーンでした。(古河)