矢沢永吉の話、続き。
本日発売のロッキング・オン・ジャパン8月号に掲載の、矢沢永吉のインタビューが、いい。ものすごくいい。
って、私ごときがいいとかなんとか言うのも気がひけるが、もう23年くらい「渋谷陽一がやる矢沢永吉のインタビュー」を、すべて読んできた身からしても、これまででもっともすばらしい。
と、言い切れるくらい、いい。
曰く、2006年にロック・イン・ジャパン・フェスに出演した時、自分のファンではない参加者たちに、熱狂的に歓迎されたこと、そしてそのあと感動のメールが多数押し寄せたことに、うれしいという以上に、ものすごくショックを受けたと。
俺は浦島太郎だったんじゃないか。俺は井の中の蛙だった。そう思い知ったことが、その後の活動に大きな影響を与え、それがこのたびのニューアルバムに結びついた、と。
詳しくは、ぜひそのインタビューを読んでいただきたいが、この話にはすごい点が二つある。
まず、ロック・イン・ジャパン・フェスの参加者ってすげえ、ということ。
あの天下の矢沢の、今後の活動の方向を左右してしまうなんて、渋谷陽一ですら不可能なことだと思う。
もうひとつのすごい点は、その参加者のリアクションを、そこまで正面から受け止めて、そこまでショックを受ける、矢沢永吉ってすげえ。という話です。
だって矢沢だよ? おそらく、日本のミュージシャンの中でもっとも、何をやっても誰にも何にもガタガタ言われないポジションの人だよ?
そんな人なのに、言ってしまえば単なる素人であるフェス参加者たちのリアクションに対して、「俺は一体今まで何をやってきたんだ」とすごいショックを受けて、今後の活動の方向を考え直してしまう。
という、その心のやわらかさ、まっすぐさ、ピュアさに、すごいなあと思ったわけです。
今公開中の映画『レスラー』のラストシーンで、主演のミッキー・ロークが口にする名台詞を思い出しました。
ただ、書くとネタばらしになってしまうのでやめときます。すばらしい映画なので、ぜひ観ていただければ。
写真は、「永ちゃんが素敵すぎていてもたってもいられずにひっぱりだしたアナログ」、その2。
1978年リリースの2枚組『LIVE 後楽園スタジアム』。
「トラベリン・バス」「時間よ止まれ」「黒く塗りつぶせ」など、アンセムめじろおし。