「太陽にほえろ!」`76/井上堯之バンド
という、写真のこれを、中古盤屋で掘り出した。
「傷だらけの天使」「寺内貫太郎一家」など、1970年代の
数々のドラマの劇中音楽を手がけたバンド。
で、その、もっとも代表的な仕事が「太陽をほえろ!」。
あの「太陽にほえろ! のテーマ」、当然入っていると思って、買った。
持って帰った。聴いた。
入っていない。
「太陽にほえろ!序曲」とか、「スコッチ刑事のテーマ」とかはあるのに、
肝心のあの「♪チャララ〜、チャララ〜」っていうあれが入っていないのだ。
いや、よく聴くと入っている。入っているんだけど、
A面ラストの、波の音にかぶさって、
あのイントロの「♪チャララ〜、チャララ〜」にいく前の
部分がうっすらと入っている。
B面2曲目の「愛のテーマ」というのが、
あの「太陽にほえろ! のテーマ」。
ただし、めっちゃスローバージョン。
殉職シーンで、刑事がピストルで蜂の巣にされるシーンとかに
使われそうなアレンジで、あの威勢のいいテーマとは、全然違う。
という2回。そういう入り方。
ものすごく不満です。
なんで!? なんであのバージョン入ってないの?
調べてみた。
あの、「太陽にほえろ! のテーマ」、どうやら、このバンドの作品ではないらしい。
1980年にこのバンドが解散した後、キーボードの大野克夫が結成した、
大野克夫バンドの曲のようだ。
そういえば、ちょっと前に、あの曲がCMで使われた時だったか、
「大野克夫バンド」ってクレジット、見たことがある気がする。
井上堯之バンドの解散後、そのテレビドラマ仕事の多くを引き継いだのが、
大野克夫バンドだった。ということのようです。
なので、以下推測。
このアルバムのクレジットにも「作・編曲 大野克夫」とある。
つまり、井上堯之バンドといいつつ、音楽的な中枢はずっと
大野克夫であり、「じゃあ自分のバンドとして
やったほうがいいじゃん」ってことで
1980年に解散して自らのバンドを結成し、
その仕事の大半を引き継いだと。
で、引き継いだあと、かつて自分が作曲して劇中で使った、
この「愛のテーマ」を、アップテンポにリアレンジして、
「太陽にほえろ! のテーマ」として
生まれ変わらせたと。
そういうことだったのではないでしょうか。
推測なので違うかもしれません。
ご存知の方がいたら、教えてください。
そういえば、20年くらい前、僕がスチャダラパーという存在を
初めて知ったのは、東京の友達の家に遊びに行ったら
「太陽にほえろ! のテーマをトラックにして
ラップやってる奴らがいる」と、深夜番組のビデオを
見せてくれた時だった。