「大物アーティスト」の話

「大物アーティスト」の話

写真は関係ありません。日曜の渋谷です。


前回の続き。

前回のブログ(これ http://ro69.jp/blog/hyogo/60466 )を
アップして、しばらくしたら、twitterで、

〉では、何と形容すればよろしくて?

とリアクションしている方がいました。

形容しなくていいんです、だから。

と、答えたくて、「そもそもなんで自分はそれに
違和感を持ったのか」について、考えました。

まず、竹内まりやに「大物アーティスト」を付けることの、
何がイヤなのか。
持ち上げ方が、雑だからだと思う。

「大物」て。いや、それは間違いなく大物だけど、
でも、たとえばこれ、芦田愛菜のアルバムに、矢沢永吉や
桑田佳祐が曲を提供した、というニュースだったら、
「大物アーティスト」という冠、つかないと思う。
なんで。みんな知ってるから、テレビ観てる人は。

じゃあ竹内まりやは、知らないのか。
そうなのです。知らない人が多いのです、きっと。
竹内まりや、基本的に寡作だし。
あと、テレビに出ない、というのが大きい。
地上波のテレビに出ない、売れているミュージシャンに
対する、世間の「知らなさ」加減は、我々音楽ファンの
想像以上のものがあるので。

って、「そんなことねえよ、みんな知ってるぞ」という
声もあるかもしれないけど、少なくとも、
その番組のナレーションの台本を書いた人は、
そう判断したわけです。
小中学生や、じいちゃんばあちゃんは、知らないだろう、と。

じゃあ、名前の前に、なんかひとこと付けて説明しないと。
という時、たとえば同じく芦田愛菜に曲を提供した
岸谷香は、「元プリンセスプリンセスの」とか
「俳優の岸谷五朗の奥さんの」という枕詞で紹介されていた。
でも、竹内まりやを紹介する時に、
「山下達郎の奥さん」というのは、なんか違う。
なんで違うかというと、たとえば、岸谷香の場合なら、
最近テレビとか出ないし、でも岸谷五朗はテレビとか映画とか
出てるので、小中学生やじいちゃんばあちゃんには、
そっちの方が知られている、という判断をできる。
でも、山下達郎は、竹内まりやと同じくらい、テレビ、出ないし。
あと、竹内まりや、「××の奥さん」って存在じゃないでしょ。
それを言ったら岸谷香だってそうですが。

じゃあ、竹内まりや、いろんな人に曲を提供しているから、
そっちで紹介するのはどうだ。
河合奈保子とか、広末涼子とか、薬師丸ひろ子とか、
タッキー&翼とか、松たか子とか……
ダメだ。それだとなんか、曲を提供する職業の人みたいに見えるし。

かといって、もちろん、おおざっぱでないように、ちゃんと
こと細かに紹介することは、できない。そんな尺、ない。

というふうに、どう紹介すればいいのか困った挙句、
結局、間違ってはいないけどあまり紹介したことにならない、
「大物アーティスト」という、漠然とした言い方を、
セレクトしたのだと思います。
いいじゃん、とりあえず、小中学生やじいちゃんばあちゃんにも、
「ああ、大物なのか、この人」ということは伝わるでしょ、という。

って考えていくと、じゃあ「大物アーティスト」でいいのかな、
という気もしてきましたが、いや、でもやっぱり、
「竹内まりや」だけでいいじゃん。
永ちゃんや桑田なら、きっとそうするんだから。
というのが、私の意見なのでした。

「大物」とか「天才」とか、あるいは「100年にひとりの」とか
そういう言葉って、たとえ間違っていなくても、いっぱい
使えば使うほど、なんか、安く、軽く見えてしまうと思うのです。
どうもこう、「ほかにジャストな言葉が見つからなかった」感が
にじんでしまう、というか。
なので、音楽のことを書く時に、「天才」とかいうのも、あんまり……
というわけで、昨日のブログでTOSHI-LOWのことを
「天才」と書いてしまったのを、反省しています、今、私。
いや、まぎれもなく天才だと思ってるけど。
奥村明裕渾身の昨日のライヴレポ、昼すぎにアップしたので、
まだの方、ぜひ読んでいただければと思います。
奥村、あのMC、ちゃんとメモって起こしてます。すばらしい。
こちらです。http://ro69.jp/live/detail/60467


あと、マドンナの「ポップスの女王」の方は、
「女王」はいいけど、「ポップスの」にひっかかったのでした。
マドンナがやってる音楽、ポップスか?
売れている=ポップス、ってことはないんじゃないか? という。

要は、ポップスという言葉の定義が曖昧だからだと思う。
ポップスと聴いて、AKBを思い浮かべる人もいれば、
カーペンターズを思い浮かべる人もいるし、
「若い頃の中尾ミエのこと?」という、ご年配の方もいらっしゃる。
マドンナ=ポップスの女王、というのは、ちょっと
ざっくりしすぎてませんか? ということだと思います。

一体私は何を書いているんでしょうか。
これを書くために、昔やってたローソンの夜勤バイトなら、
450円くらいもらえる時間が、既にかかっています。
こんなもんを書くために日曜に会社に出てきているわけではない。
何か、付き合わせてしまってすみませんでした、みなさん。
という気持ちに、どんどんなってきたので、終わります。
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