DJ MINORU KATAHIRA 『ROCK ON ROCK』

先週リリースされました。
RIJFやCDJのDJブースでおなじみ、片平実のDJミックス・アルバムです。

2009年に出た初のアルバム『ROCK THE MIX』、去年出た
『Getting Better 15th Anniversary Presents
“Geeting Roll ～Rock Antehm Mix～”』、に続いて、3枚目。
あ、1年前の、a flood of circleの曲だけで作られた
『AFOC THE MIX』も合わせると、これで4枚目になるのか。

とりあえず、ロックDJで、メジャー流通で1枚とか出したことある人は、
それなりの数いるんじゃないかと思うが、4枚も出している、
言い換えれば出せる状況や環境にある人は、ほかにいないんじゃないかと思う。
僕は昔、片平実に、「この国において大貫憲章さんの次に偉いロックDJ」
というコピーを、冗談半分本気半分で付けたことがあるんだけど、
ほんと、ほかには大貫さんくらいしか思いつきません。

で、その環境や状況を、誰かに与えられたんじゃなくて、
自力で戦って勝ち取っているのがこの男だ、というのもあります。
ハウスやテクノやヒップホップなら、「トラックメーカー兼DJ」とか
「プロデューサー兼DJ」として食えている実例はありますが、あと
トラックメーカーやプロデューサーじゃなくて純粋なDJだけで
食えてる人も、ゼロではないでしょうが（でもすんげえ少ないと思うが）、
ロックかけてるDJで、こういうポジションを築いているの、
ほんと、片平実だけなのでは。と、思う。

「お！」とか「こうきた!?」とか、聴いてるとついニヤニヤして
しまう選曲の見事さはいつものことだけど、オリジナル曲の“ガラス”が、
まともにいい曲で、ちょっとびっくりした。
これ、片平くんが昔バンドやってた頃の曲で、ずっと大事に
持ってたのが、元OCEANLANE武居創、電話ズ石毛、テナーホリエの
3人によって、形にされたものです。
ラストに入ってます。

あと、この人の選曲、「奇をてらわない」「正面から王道をやる」
「それで勝つ」というものなので、ロック初心者の少年少女に
「フェスに初めて行くんですけど、どんな予習をしていけば
いいんでしょうか？」とかきかれた時は、彼のCDを勧めることにしてます、私。