先にシーズン1でリリースされた『KBB vol.1』と合わせ、これですべてのカップリング曲がアルバムにまとめられたことになり、改めて彼らの作ってきた楽曲の多様性や懐の深さや意外性を感じ取ることができる作品になったのですが、各アルバムに1曲ずつ収められた新曲に、ぜひ注目してみてほしいです。『vol.1』では“Flame”という、バンドの原点を感じさせるアグレッシブなロックサウンドを聴かせてくれたKANA-BOONですが、『vol.2』に収録された新曲“夜の窓辺から”は、率直に言って、KANA-BOONにとっての重要な変化作になったと思います。
ミドルテンポでじっくり腰の座ったバンドサウンドにのせ、今のバンドからのメッセージとも受け取れる重みのある言葉が並んだ歌詞。そこには何のギミックもなく、正面から自分たちの思いを伝える谷口鮪(Vo・G)の歌が、まっすぐに突き刺さります。この曲は明らかに、彼らがバンドの現在と、そして今後とを見据えて作り上げた渾身の1曲。5周年イヤーというお祝いモードのタイミングで、なぜここまで力強く切実で誠実で真摯な楽曲ができあがったのか。とにかく今のバンドのモードについて、改めてじっくり訊いてみたいと思いました。というわけで、KANA-BOONのロングインタビュー、現在発売中の『ROCKIN’ON JAPAN』10月号に掲載しています。ぜひ読んでいただければ。
『KBB vol.2』には、彼らの1stシングル曲を亀田誠治プロデュースでリアレンジ&再録した“盛者必衰の理、お断り (和和和 version)”も収録されています。こちらもとてもかっこいい和のグルーヴを楽しめるナイスアレンジに仕上がっているので、ぜひ、リリースを楽しみにしていてください。(杉浦美恵)