現代音楽とポップミュージックを掛け合わせたサウンド、アート性の高いライブや衣装など、表現すべてにポリシーを貫くMaison book girl。1年7ヶ月ぶりにリリースされるフルアルバム『yume』は、Maison book girlを構成する要素のひとつである、寝ている時に見る「夢」にフィーチャーした作品です。シングル曲“言選り”でもAIを使用して作詞をするという試みがありましたが、今作もさらにプロデューサー・サクライケンタによる実験性の高いトラックメイクが施されています。
脳や概念に直接はたらきかけるサウンドスケープは、まさに夢を見ている感覚そのまま。変拍子の上でしなやかに舞うメンバー4人のボーカルとメロディは美しさに磨きをかけています。聴いているうちに、現実なのか夢の中なのかわからなくなる……そんな曖昧さがとても心地いい。Maison book girlの音楽には元来リスナーが想像を膨らませられる余白がありますが、夢というテーマはさらにその可能性を広げていると言っていいでしょう。よりディープになりながらもポップネスを増していくMaison book girlを体感できる大作です。
今回メンバーだけでなくサクライケンタを交えて今作のインタビューを行いました。メンバーは4人ともMaison book girlの音楽と非常にいい関係を築けているよう。そんな彼女たちのフラットなたくましさが感じられるインタビューになりました。サクライとメンバーも気の合う仲間と話すようなとてもナチュラルなテンションで、チーム全員で様々なアイディアや個々の解釈、特技を持ち寄りながらMaison book girlを育てていることが窺えました。
インタビューは11月30日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』2019年1月号に掲載されます。ちなみに今回の衣装は「夢」とリンクさせた、パジャマをモチーフにしたデザイン。コショージメグミの背中についていたレースが天使の羽根のように見えて、そのさりげないギミックとキュートさにきゅんとしました。(沖さやこ)
Maison book girl×プロデューサー・サクライケンタが語る、現在のブクガとメジャー2ndフルアルバム『yume』
2018.11.01 10:25