眉村ちあきが本気で「恋」というテーマと向き合って作った最新EP『ラブソング史のはじめに』。確かに、ユーモアに富んだ楽曲を多く生み出してきたこれまでの眉村ちあきのディスコグラフィーを振り返れば、「ラブソング」という言葉が入った“本気のラブソング”ではファンとの関係性が描かれていたし、一聴すると切ない片思いを歌ったように聴こえる“おじさん”も、9歳の女の子がおじさんを好きになったという眉村ワールド全開の設定だったし、ストレートなラブソングというのはなかったかもしれない。
今作には、独特の詞世界は持ち味として残しつつも、これまでよりも共感できるポイントの多い普遍性の高い3曲が並んでいる。
その個性的な魅力で自分の世界観やファンとの関係性を密度高く構築し、根強い支持を集めてきた眉村ちあきが、なぜ今「ラブソング」というテーマで新しい扉を開いたのだろうか。
現在発売中のJAPANのインタビューでは、自分のライブに若い女性が増えたという状況の変化を語ってくれた。アイドルであることのプライドも持ちつつも、同性のファンにも共感してもらえるような楽曲を、という想いが今作からは感じられる。新たな一面を見せたEP『ラブソング史のはじめに』、これまでの眉村ちあきを知っている人も、一度まっさらな気持ちで聴いてみてほしい。そして、インタビューでアーティストとしての心境の変化に触れてほしい。(有本早季)
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眉村ちあき史上最もストレートなラブソングが誕生! 新しい表現の扉を開いた心境の変化に迫りました
2024.05.14 19:30