SOFT　BALLETのメジャー・デビュー20年を記念した11枚組BOX「INDEX - SOFT BALLET 89/95」。なんと全141トラック（未発表含む）を最新リマスター化し、アルファベット順に並べたアカデミックな趣向の作品で、監修は藤井麻輝（現・睡蓮）。

という作品が昨日、９月30日に発売されるはずだったのだが、制作上の都合により10月28日に延期になったそうだ。レーベル、時代を超えた141曲をアルファベット順に並び変えるということは、しかも最新リマスターにするということは、音質を均一化する作業がものすごい地獄だったと思う。そしてソフバに関わる時の藤井麻輝は、いつもこのような苦労を背負い込んでいる気がする。

さて、SOFT　BALLETと言っても知らない人も多いと思いますが、電気グルーヴとほぼ同期に、まったく別のベクトルで、日本のメジャーシーンにテクノ／エレクトリック・ミュージックを持ち込んだ革命児的存在。今作に収録されたリミキサー陣を振り返ってみても、アダムスキー、エイドリアン・シャーウッド、オービタル、キャバレー・ヴォルテール、808ステイト、LFO、レネゲイド・サウンドウェイヴなど錚々たるメンツ。先鋭的なサウンドの一方で、9.11以前から『愛と平和』を歌い、“AMERICA”へのシニカルな批判を行うなど、サウンドもアティテュードも徹底して自由で過激な人たちだった。
写真はサンプルだが、今聴いても、その唯一無比ぶりにびっくりする。 （井上）