すでに報じられているように、17日、淺川マキが公演中に訪れていた名古屋のホテルで亡くなったという。びっくりした。
そして、不謹慎かもしれないが、旅の歌が多かったので、なんとなくマキさんらしい、と思ってしまった。
私の中では、ニコと淺川マキはなぜか深いところでつながっていて、とても好きな女性たちだった。自分の血をブルースとして歌にしていた。そして、孤独な歌ばかり歌っていた。 同時代ということもあるが、寺山修司作詞の“ふしあわせという名の猫”の柔らかなフルートも同じ匂いがする。
“セント・ジェームス病院”や“夜のカーニバル”といったジャズの名曲や、“ガソリン・アレイ”“それはスポットライトではない”など70年代ロックに日本語の詞をつけてよく歌っていたが、オリジナルもさることながらそのカヴァーがえらくカッコよかった。
写真はいつも煙草の煙に包まれていた。
大学のライヴで火炎瓶がステージに投げ込まれ時、「なに、これ」と言って客席に投げ返したという逸話もある。
当たり前の話だが、もうこんな人は出てこないだろう。
悲しい。
ご冥福をお祈りします。(井上)