テナーのアコースティック・セッションのリハーサルは、
「うわあ、緊張しそう」
というひなっちの言葉から始まった。なのにその音は、豊かで伸びやかで鮮やかな音がいきなり広がっている。目の前に明るい緑と青空が広がり、鳥のさえずりすら聞こえてきそうだ。
あの、みんなが大好きな曲もアコースティックになって、まったく違う表情で、いつもと違う美しいたたずまいで現れる。びっくりするほど、カッコいい。
ホリエの楽曲の懐の深さ、いつもとはまったく違うシンペイの穏やかで温かなドラム、大山の繊細さが滲み出るアコギと歌声、ひなっちのベースからは彼の日常や素顔がこぼれ落ちるようだ。
テナーのアコースティック、すごくいい。
なんで今までやらなかったんだろう?
と、素直な感想を述べると、「でしょ?」とシンペイは自信満々だ。先日、東名阪で行われた限定ライヴも大好評だったという。
「このフェスに対してアーティストがどれくらい責任感じてるかっていう」
ACIDMANから戻ってきたばかりのホリエは言った。それは本当に色々なセッションから伝わってきて、ありだたくも、身が引き締まる思いだ。
そして、
絶対にいいフェスになる。
その確信はどんどん強まってくる。
(井上)