JAPAN最新号のニューカマー・コーナーに登場のオワリカラ。
「何でもやれる時代だからこそ、2010年のドキュメンタリーをやるべきだと思っている」
ときっぱり言い切る、ロックンロールの確信犯だ。
ギター・ヴォーカルでソングライティングを手がけるタカハシヒョウリは、時代に対する鋭利な批評眼と、音楽を含めたサブカルチャーに対する熱い情熱を持っている。
すべては砂のようにこぼれ落ちてゆく、という絶対的な虚無を残酷にあぶり出しながら、それを優しく肯定する美しいメロディーがとても印象的だ。
朝、目が覚めたらデヴィッド・ボウイになっていた、というシュールなライブタイトルが気になって、去年から何度か見に行っていたので、
「やっとインタビューですねえ…」
と、お互いなんだか感慨深かった。
あがた森魚との共演や、
東京ニューウェイヴのイベント出演、アンディモリとのカナダツアーなど、とても振り幅が広いバンドだが、インタビューでも、ゆらゆら帝国や曽我部恵一、井上陽水、暴力温泉芸者など色々な名前が飛び出していた。
ロックの過去と未来をつなぐ、懐かしくて斬新なサイケデリック・サウンドは、ロックの新しい扉を開く可能性に満ちている。
ファーストアルバム『ドアたち』を、ぜひ聴いて欲しい。
(井上)