音楽も映画も死ぬほど好きなあなたに

音楽も映画も死ぬほど好きなあなたに

何回聴いても素晴らしい。マジでいい。
今日発売になったluki『パープル』。

lukiはわかっている。
自分が何を愛しているのか、自分の中に何の要素が刻まれているのか、よくわかっている。
彼女の音楽を聴いているとぼくはヌーベルバーグやロマン主義文学の匂いを感じる。
自分も死ぬほど好きだから、という理由もあるけれど、かなりストレートにレオス・カラックスの映画を感じる。
強く凛と立ち、あなたの帰りを待つ女性は、ぼくの中では完全にジュリエット・ビノシュだ。
こういうことを書くのはかなり恥ずかしいが、lukiの音楽を聴いていると、この吐露は全然恥ずかしくないことのようにも感じる。
lukiがまず、自分が愛した世界や人、作品のこと、あるいはそういったものを愛している事実を隠していないからだ。
彼女の音楽はlukiという人が生きてきた時間に正直なのだ。

そして、だからこそ、彼女の音楽は圧倒的にオリジナルなのである。
ありとあらゆる音、言葉、声、歌の背景に、彼女が人生をかけて「愛すのか否か」「受け入れられるのか否か」とジャッジしてきた瞬間が無数に横たわっているのだ。
すべては映画的である。だが、この映画的な音楽は、映画的であるのと同じくらいどこまでもluki的だ。
映画的なのは、彼女が映画を愛してきた結果として当然のことであり、そして、その映画的世界が同時にluki的なのもまた、彼女が映画すべてを人生をかけて共感し、あるいは(きっと時には)嫌悪しながらジャッジしてきた結果としてやはり当然のことなのだと思う。
というか、本来、何らかの作品に向き合うというのはそういうことなんじゃないだろうか。

そういうことを思わせてくれる音楽、という時点で自分にとっては本当に貴重なものだ。
今発売中のJAPAN7月号にも彼女のインタヴューが載ってます。そして、次号にも徹底レビューを載せます。PVを収録したDVDも付録として付きます。
この機会に多くの人に出会ってほしい。本当にそう思う。(小柳)
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