ミツメのリキッドルームワンマンを観た

ミツメのリキッドルームワンマンを観た

JAPAN3月号のNEW COMERで紹介したミツメ。
先週金曜に行われた、最新アルバム『ささやき』のリリースツアーファイナル、恵比寿リキッドルーム公演を観てきた。

ゆったりとしたテンポ、敢えてドラマ性を排除したようなメロディ、つぶやきのように穏やかな歌声。ミツメの音楽は、つつがなく日常を生きる私たちの平熱感をそのまま音に表したようだ。それが何よりの説得力になって、私たちの日々と体にしみこんでいく。

ライヴではその平熱感がよりリアリティをもって迫ってくるうえに、肉感的なグルーヴと繊細な表現に魅了された。簡単に言ってしまえば、ひたすら心地いいリズムを打ちながら、ギターやベースの音色ひとつで今自分たちが感じている気分や雰囲気を描ききってしまえる。そういうセンスにめちゃくちゃ優れていた。

全体を通して淡々としながらも、終わったあとにはじっくりと熱い余韻が心に満ちていく。日々のささやかな希望を拾い集めたような、やわらかな幸せがそこにはあった。

「自分たちが、まさかリキッドルームでワンマンをするようなバンドになるとは思わなかった」ということを川辺素(Vo・G)は話していたが、自分たちのペースを守るからこそ生まれる気持ちのよい空気感は、代えがたい彼らの持ち味だ。
まだ出会っていないというなら、今こそミツメの音楽に触れて欲しい。(小新井)
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