10-FEETの『Fin』ツアー、Zepp Tokyoワンマンを観て思うこと

10-FEETの『Fin』ツアー、Zepp Tokyoワンマンを観て思うこと
10-FEETがアルバム『Fin』を作った理由、タイトルがFinでなければならなかった理由が痛いほどに伝わるライブだった。
感情の昂ぶりを押さえることがとても困難な、破壊的なほどにエモーショナルな瞬間の連続で、10-FEETというバンドは本当にすごいバンドだなと、あらためて何度も実感するばかりだった。

言葉とメロディとアレンジをそれぞれ磨き、ハイクオリティなものを作ろうともがくのは、きっとプロなら当たり前のことだろう。
その結果、相当レベルのものを作り上げるのもプロならやはり当たり前の範疇なのだと思う。
じゃあ何で差がつくのかというと、これで完成だと感じたその瞬間に、あと1ミリの踏み込みができるのか、そのたった1ミリ先に進むための時間とエネルギーの存在からばっくれずに、賭けることができるのか。
感動的なものと、本当に感動させられるものの差は、きっとそんなところにあるのだと僕は思う。

TAKUMAはその1ミリのことだけを考えている人なのではないかと思う。
毎日生涯一のライブをやる、今日で終わりのようなライブをやる、そしてこれが最後であるかのような曲を作り、アルバムを作る。
そんな10-FEETの生き様とは、その1ミリの差に向き合い続けることとほとんどイコールである。
勝手な言い方だが、からっからの雑巾をさらに絞って一滴の水を絞り出すような、あのTAKUMAの叫びを聞いているとほんの少しでもいいから、昨日よりもよい人間になりたいなんてことを思う。
それがつまり、10-FEETを聴き、10-FEETのライブを観ることの意味だ。
少なくとも僕にとってはそうだが、今日のZeppには同じことを感じてくれる人がたくさんいたんじゃないか。

『Fin』はこれらの人生を通して何度も何度も聴くことになるアルバムであると、今あらためて思う。
「今が最後」「今日が最後」「この先の1ミリのために」と自分に言い聞かせながら生きることはとても難しいが、10-FEETのライブを観ていると、自分はそれができる人間であるように思えてくる。

10-FEETは本当にすごいバンドだ。
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