ジョニデ久々の”復活”ですでにオスカーの声。最新作の演技がスゴすぎる。トロント映画祭開幕

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9月10日から北米大陸最大にして今年40回目を迎えるトロント映画祭が開幕する。毎年オスカーの前哨戦が開始する場所として注目されている映画祭だ。

そこで上映されるジョニー・デップの最新作『ブラック・スキャンダル』を一足先に観たのだが、ジョニデの演技が素晴らしすぎて圧倒された。すでにアメリカの各誌は”オスカー”と書き立ているほど。実際、これはノミネートは間違いないだろうと言ってしまいたくなる演技……これから主演男優が強烈な演技を見せる作品はどんどん公開されるから、まだ何とも言えないが。

ジョニデは別に姿を消していたわけでも、休暇を取っていたわけでもないけど、『パイレーツ』シリーズとか、ティム・バートン映画の印象が強すぎて、リアリティのある設定での演技は久しぶりに思える。なので、思わず”復活”!と言いたくなるような、鬼の演技なのだ。

おでこが思いきり後退した予告編を見た時はびびったけど、その衝撃を上回る恐ろしい演技力。
こちら予告編。

今作で、ジョニデは実在する人物、ジェームズ・”ホワイティ”・バルジャーを演じているのだが、この人物が極悪人。US史上最も冷酷残忍なギャングと言われ、しかもFBI最重要指名手配人物。

だが、彼の興味深いところは、意味不明の残忍さだけではなく、お年寄りには優しかったり、息子にはとてつもない愛情を注いだり、ものすごく人間的な側面もあること。さらに、この事件がややこしいのは、ホワイティの弟は、上院議員を18年も務めた有力な政治家であり、さらに彼の幼馴染がFBI捜査官であるということ。この幼馴染がホワイティに情報屋になることを持ちかけるのだ。つまり、人間関係も複雑。

でも、だからこそジョニデの演技力が光るのだが。複雑さとニュアンスを出せる人でないと単なる極悪人になってしまう。

さらに、弟を演じるベネディクト・カンバーバッチがこれまた素晴らしい。もちろん、カンバーバッチは主演をやってもその演技力に圧倒されるけど、脇役で光りまくることもかなり多い。短い露出時間で、その映画にはまり、キャラをビシッと決めなくてはいけないのだから、実はより演技力が要求される。カンバーバッチは、それを人への視線の向け方、まぶたの動かし方という、言葉ではない最小限の仕草でやってのけるから素晴らしいのだ。
ジョニデ久々の”復活”ですでにオスカーの声。最新作の演技がスゴすぎる。トロント映画祭開幕
そもそも、ジョニデとカンバーバッチが兄弟!って。同じフレームの中に二人がいると、それだけで豪華すぎる。

FBI捜査官を演じたジョエル・エドガートン。彼の最近の演技はどの作品でも目を見張るものがあるが、今作も下手するとジョニデに並ぶ演技力だ。

というわけで、この3人の演技力の凄さで最後まで観きってしまう作品。

トロント映画祭は、明日開幕!幸先のよいスタートとなった。ジョニー・デップにも取材する予定だ!

『ブラック・スキャンダル』は、来年1月に日本公開予定。
ジョニデ久々の”復活”ですでにオスカーの声。最新作の演技がスゴすぎる。トロント映画祭開幕
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