先日、日本でも”デヴィッド・ボウイ　バイ　ミック・ロック”という写真展を行ったばかりのカメラマン、ミック・ロック。

ボウイのみならず、イギー・ポップ、ルー・リード、クイーンなどのポートレートや、代表作のジャケットなども撮影し、「70年代を写した男」と称される伝説のカメラマンだが、彼のドキュメンタリー映画『SHOT! THE PSYCHO-SPIRITUAL MANTRA OF ROCK』がアメリカで今週上映される。その予告編が公開された。こちら。

70年代イギリスのグラム・シーンに始まり、NYのパンク・ロック・シーンから、ミレニアム世代に及ぶまで撮り続けた、彼の40年の人生が描かれたこの作品は、未公開の撮影風景や、音声、オリジナルの素材などを使いながら、彼独自の視点からロックの偉大なるシーンが見えてくる作品だ。

監督のBarnaby Clayは以下のようにコメントしている。

「ミック・ロックの映画を作って欲しいと言われた時、まったく悩まなかった。なぜなら、僕は彼の写真を見て育って来たようなものだったから。実際、僕の人生の重要な瞬間を刻むような作品も多かった。『トランスフォーマー』から、『ロー・パワー』など挙げ出したらキリがない。彼に会ってみると本当にチャーミングで、ユーモアがあって、しかもとっ散らかったところがあって、彼の作品の背景を語ってもらうのにもってこいのキャラクターだと思った。しかしそれをどうやって映画にすればよいのだろうという問題はあったのだが」

最終的に目標としたのは、「デヴィッド・ボウイや、ルー・リードのような人達が、面白いと思って観てくれるような映画にしたい」ということ。

「この映画は、”名声という名の車に飛び乗り、あまりに遠くまで、あまりの速さで行ってしまった人の物語。そのせいで死にかけて、しかし生き残ったので、ここでその物語を語れる”というものにしたかった」

外部からの映像などは使わず、ミック・ロックの視点からすべてが語られ、ミック・ロックが保管していた莫大な資料のみで作ったサイケデリックな作品。映画のスコアは、ザ・フレーミング・リップスのスティーブン・ドローズが担当している。

最近NYタイムズ紙にも彼の1日を追った記事が掲載されていた。まさかNYに住んでいると思わなかったのでびっくりした。興味深いのは、「ロックの写真が、自分が撮り始めた時より今のほうが、歴史を刻むものとして、アートとして、より評価されるようになった」と語っていること。「そのおかげで、僕の休む暇がなくなってしまったのだけど」と。
https://www.nytimes.com/2017/03/24/nyregion/mick-rock-photographer-sunday-routine.html?_r=0

日本での公開については未定。

『ロッキング・オン』最新号の5月号にもミック・ロックのインタビューが掲載されている。
http://ro69.jp/blog/rockinon/158691

またミック・ロックが撮ったボウイの写真が展示されているボウイ大回顧展『DAVID BOWIE is』も４月９日で終っちゃう！お見逃しなきよ〜。
http://davidbowieis.jp/