ザ・チェインスモーカーズ、成功と孤独、ボノの参加など、新作を語り尽くす。NYでのイベントの全貌紹介。映像あり。

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ザ・チェインスモーカーズが、待望の新作『メモリーズ…ドゥー・ノット・オープン』の発売を祝して、マンハッタンの超オシャレエリアにあるSAMSUNGのクールな体験型ショールームにて貴重なイベントを開催。ラッキーなファンが招待され、大変な盛り上がりを見せていた。

実はその時の模様は彼らのフェイスブックでライブ中継された。それがこちら。

”Break Up Every Night"、”My Type"などを披露しながら、曲やアルバムについて語られた。印象的だったのは、今作のインスピレーションは、彼らが突然成功したことで、自分達を知らないような人達からいきなり批判されたり、それに傷付いたり、孤独を感じたりしたことだったということ。恋愛に対する行き違いなども描かれているけれど、全体としては、孤独や、傷心、様々なフラストレーションなどがこの作品の核になったということ。

アルバムのジャケットには箱が描かれているが、そこにも意味がしっかりと込められている。

この作品では、本当の自分達を包み隠さず吐き出した。そして、そのように自分達のリアルを表現したのは、その根底には理解されたい、みんなと結びつきたいという強烈な思いがあったからだということが熱い口調から伝わってきた。

これまで様々な人達にインタビューしてきたけど、曲のインスピレーションのことをここまで的確に包み隠さずしかも超早口で話す人達はあまり見たことがなかったのでそれも新鮮だった。

またこのイベントでは、アンドリュー・タガートが自分の持っているSAMSUNGの携帯から曲を選び、それを再生すると、会場に爆音で流れるというシステムになっていて、それもびっくりした。

以下、イベントで語られたことの要約。かなり長いけど、新作を聴きながら週末に読んでみてください。

"Break Up Every Night" について。
アンドリュー「インディ・ミュージックを聴いて育って来たから、インディ・ミュージック的なサウンドの曲をずっと作りたかった。だから、この思いきり楽しくてアップテンポな曲を思い付いた。俺達にとって、新しい方向性を示した曲。俺達は、サウンド的にも常に限界に挑戦しようとしていて、この曲がそれを象徴している」

この曲の印象的な歌詞《Then Tries to Fuck Me Back to Life》について。
アンドリュー「この曲は、デートする相手がいつも、自分を傷心にすることについて歌っている。自分のことを愛してくれていたはずなのに、次の瞬間には傷心にさせられる。そういう体験を楽しい曲にしてみた。アルバムにはもっと悲しいトーンの曲もあるけど、この曲はアップビートな曲で、恋愛関係における緊迫した瞬間について書いたもの」

”Bloodstream"について。
アンドリュー「名声との対峙がいかにクレイジーなことだったかについてや、突然みんなが自分達について意見を言うようになって、それが悲しく思える瞬間があったことについて歌っている。そういうことは俺達にとっては、初めてのことだったから。飲みに繰り出して、でもその後にそういうことを悲しく思っていることを書いているんだ」
アレックス「俺達にとって、この数年はものすごく奇妙な年で、EDMシーンから登場した僕らの人生を"Closer"が大きく変えたんだ。あの曲が、ザ・チェインスモーカーズという名前を世の中に広めてくれた。でも、そしたら突然誰もが俺達について意見を言うようになった。俺達が誰なのか理解してくれている人だけじゃなくてね。だからこの曲では、みんな俺達が誰なのかも知らないのに、自分勝手に俺達について言いたいことを言っている、ということを描いてる。それが俺達にとっていかに辛い体験だったか。それから、俺達はダンス・ミュージック・シーン出身で、それって基本的にはパーティー・シーンなわけだけど、この曲は、自分達がそこと現実の狭間に立たされているように感じたことについても描いている。パーティーを毎日していながらも、同時にいつも自分達についての批判が飛び交っているという状況にいたんだ。俺達は自分達がやりたいことをやっているだけなのにね。それを人が理解してくれなくてフラストレーションを感じているということがテーマだ。それから、アルコールとの葛藤についても歌っている」

”My Type”について。
アンドリュー「一番好きな曲のひとつ。エミリー・ワーレンが参加してくれているんだけど、彼女とスタジオに入るといつも、みんなでそれぞれが人生で抱えている問題について徹底的に話し合うんだ。こういうビートで彼女と一緒に曲を書きたいと思っていたものが元々あって、そのビートに乗せて『認めたくないけど、君は僕のタイプなんだ』と言いたいと思った。その恋愛関係が自分にとって不健全であると分かっているのに、どうしてもその人に惹かれてしまって付き合い続けてしまうということについてね。それを悲しい感じではなく、高揚感のある感じで書こうとした」
アレックス「一番好きな曲のひとつ。恐らく一番古い曲のひとつでもある。このアルバムは、本当にギリギリの段階でやっと全部が完成したという感じだった。6ヶ月前ぐらいにはアルバムを発売する気もなかったかし、準備もできていなかった。でもここまで来れたのは、ファンが俺達にツイートなどを通して、もっと俺達の曲が聴きたいと言い続けてくれたおかげだよ。だからアルバムの完成までこぎ着けたのはファンのおかげで、本当に作って良かったと思っている。それはもの凄い体験だったから。曲を作っている間に、自分に対して知ることがすごくたくさんあったし。それに俺達が子供の頃は、アルバムがすべてで、シングルを買える場所がなかった。だから今でもアルバムを買うと、自分が好きなアーティストの世界の中にどっぷりと入って行ける。そこで、アーティストの語りたいことについてしっかりと聴ける。俺達はこれまでシングルしか出してこなかったから、その瞬間の俺達の物語を断片的にしか語ってこれなかった。深いところまで伝えることができなかったんだ。だからこのアルバムを聴いて、俺達の人生、思い出や、経験、本当は語りたくないような最悪なことを感じてほしい。このアルバムではそういうことを語っているから、俺達についてもっと深く理解してもらえるような気がする」

シングルではなくアルバムとしてリリースしたことについて。
アンドリュー「ここ数年の成功については、すごく恵まれていると思っているんだけど、でも、それによって様々なことが変わってしまった。自分を人間的に変えてしまったし、親しい人達との人間関係を変えてしまったし、親しくなかったのに親しくなりたいと思っている人達との関係性も変えてしまった。そこには良い時期もあり、すごくダークな時期もあったけど、でもその時期全体を反映した曲がたくさんできたと思う。だから、アルバムとして成り立つと思えたんだ。だから、1曲ずつ発表するのではなくて、ここ数年、俺達がどんな体験をしたのか、俺達が誰なのか、俺達がなぜこういう音楽を作ってもらえるのかを、分かってもらうためにアルバムを作る必要があると思った」

アルバムのジャケットについて。
アレックス「アルバムのジャケットの箱が象徴しているのは、みんなある時期が来たら、大人になって実家から出て行くということ。実家のどこかに、誰もが、子供の頃に大事にしていて捨てられないでいる物が詰まった箱が置いてあるんじゃないかと思う。このジャケットの箱はそれを象徴しているんだ。俺達が、この数年で経験したことを経て、家に帰ってその箱を開けて、みんなにそこに詰め込まれていたすごくプライベートな物語を披露したということ。それからドリューが最近言っていて印象的だったのは、俺達は今、脚光を浴びているから、ある箱の中に無理矢理入れられているように感じる、ということ。みんなが俺達を、ある箱に入れてラベルを貼って定義したがっているということ。俺達のことを本当に理解していなくてもね。だからこの箱は、俺達が本当にどんな人間なのかを、その箱の中に入っているものを開けて見せようとしたんだ」

”Honest”について。
アンドリュー「この曲はアルバムの中でも最も脆い面を表した曲。孤独と誘惑について描いている。俺達は、1年間で200日以上旅しているわけだけど、そこでいかにして人間としての威厳を失わないようにしているのか、またそこに同時に誘惑というものがリアルに存在することについて歌っている。つまり愛と誘惑というのが、同時に存在することについての曲だね」
アレックス「愛についてのナイスな曲を書くほうがずっと簡単だ。だから、こういう曲を発表するのは簡単なことじゃない。誘惑について書いたこの曲で、最もか弱い部分を披露した。それは醜いものだし、俺達は自分達が完璧でありたいと思うけどそうじゃない。でも、リアルなことを書くのは重要だ。人はリアルなものに共感するから」

ボノの参加について。
アレックス「”Honest”のイントロに話し声が入ってるけど、あれはボノだよ。彼は俺達の友達なんだ。彼や、クリス・マーティンのような人達に出会えて本当にラッキーだったと思っている。しかも、キャリアについて色々なアドバイスをしてくれる。それでボノに電話して何でもいいから話して欲しいとお願いしたんだ。彼と酒を飲むと、すごい深い話になるからね。この時は彼と電話でたぶん45分くらい話したんだけど、そこで彼がアーティストの義務について、それがいかに悩みになるのかについてを語ってくれたんだ。それがあまりに完璧だったからこの曲で発表することにした」

アルバム全体の挑戦について。
アレックス「”One”で分かるように、このアルバムでは、初めてバラードに挑戦している。自分達の限界に挑戦してようとした。やっていないことに挑戦することが目標だったんだ」
アンドリュー「今は俺達のキャリアにおいて最大のターニングポイントだと思う。ライブではDJを続けるけど、でもそれ以上のことをしたいと思っている。DJで披露できるものだけではなくて、バンドとして演奏できる曲も作った。だからバンドも結成した。その中でもとりわけ”Honest”という曲は、価値がある曲だと思う」

そのバンドメンバーは、YouTubeなどで見付けたそうだ。ライブは、半分DJで、半分バンド演奏になるという。エミリー・ワーレンも参加するとのこと。

”Last Day Alive"について。
アンドリュー「一番好きな曲のひとつで、この曲にはFlorida George Lineが参加している。自分達がまさかカントリーのアーティストと共演するなんて思わなかったからそれがクールなところ。曲を聴いたら驚くと思う。カントリーの曲とは言えないけど、でも彼ららしさが表れている曲だから。ボーカルのハーモニーで使ったテクが聴き所で、それをカントリー・ミュージックのアーティストとやったのがポイント。それは、カントリー・ミュージックでも聴けないものだから全員にとって新しい経験になったよ。本当にエネルギーに溢れた曲」
アレックス「この曲は最後に出来た曲で、Florida Georgea Lineには、『君たちのために書いた曲だ』と言って送った。そしたら、『こんなプレッシャーを感じたことはない』と言ってスタジオに16時間くらい籠って作ったらしい。最初のハーモニーを聴けば分かるけど、この曲は16くらいのハーモニーで出来ている。俺達はカントリーを聴いて育ってこなかったけど、でも聴けば共通点があることが分かる。基本的には、失恋と、酔っぱらうことと、女の子についてなわけだから(笑)」
アンドリュー「これはアルバムの最後の曲で、俺達がやっていることについての曲。毎晩ショーをやって、そこに来てくれた人達とリアルな結びつきを感じられることをメランコリックに描いたもの。また夕日が出ている時に、車を走らせながら、ルーフトップを開けて聴きたいと思う曲でもある」

”One"について。
アンドリュー「歌詞の最初の行は、ショーのせいで、いとこの結婚式に行けなかったことについて罪の意識を感じたことを携帯にメモしたもの。それがエミリーと曲を書いているうちに最終的には失恋の曲に発展した。書いている間に、曲の運命が変わっていくことがあるんだ」

このアルバムのインスピレーションについて。
アンドリュー「人生だね。このアルバムは、自分が昔から持っていた箱を開けたような体験。昔の写真や、サッカーでもらったトロフィーなどを見ながら、その時自分がどんな気持ちだったのかを思い出している。俺達自身について書いた曲もあるし、友達について書いた曲もある。振り返ってみて、自分達の中で最も説得力のあった瞬間を描いている。それは、たいていものすごく緊迫感のあった瞬間なんだけど」

音楽的なインスピレーション。
アンドリュー「ストロマエだね」
アレックス「カニエ・ウェスト。自分達の今をこの作品に刻む意味において、ひとつの章を閉じて、またここで新しいことを始められたのは彼にインスパイアされたから。あとストロマエは世界一」

アルバムで一番好きな曲。
アンドリュー「毎日変わるけど。”Bloodstream"。自分のフラストレーションを吐き出した曲だから。”Young”は、青春期について。若い時に恋に落ちて、自分にはすべてが分かっていると思ってしまうというバカな間違いを犯すことについて書いた」
アレックス「”My Type”」

彼らはこの土曜日に『サタデー・ナイト・ライブ』に出演する。そこで、”Break Up Every Night”を初ライブパフォーマンスすると語っていた。恐らくその映像も、週明けには見られるのではないだろうか。
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