スプリングスティーンの歴史的なブロードウェイショーがアルバムで発売決定! 音源公開。Netflixでも放送。私も観た!! チケット代は$600だった(涙)。

スプリングスティーンの歴史的なブロードウェイショーがアルバムで発売決定! 音源公開。Netflixでも放送。私も観た!! チケット代は$600だった(涙)。

ブルース・スプリングスティーンがなんとキャパたった975人!!!のNYブロードウェイで、去年の10月3日からプレビューを、12日から正式にパフォーマンスを開始した。


計236回行われるこの歴史的なショー”Springsteen on Broadway"は12月15日で終了するが、そのショーが、12月14日にライブアルバムとして発売されると発表された!


さらに、その中から音源”Land of Hope and Dream”が公開されている。


また、このショーは、12月15日にNetflixで放送されることも決定している。



実は、私も観たばかりなのだが、なんとチケットは定価で$600だった(涙)。その直前に、マイケル・ムーアとトム・モレロが来ていたよう。


トム・モレロはこのステージで時々共演もするようなので、残念、と思っていたら....私が行った日はなんとクリントン元大統領夫妻が来ていた。


週に5回行われているこのパフォーマンスは当初去年の11月26日に終わる予定だったが、あまりに貴重すぎてダフ屋での値段が高騰。本当のファンが観られなかったと2018年6月30日まで延長された。しかし、それでも買えなかった人がほとんどでこれが本当に最後と言って12月15日まで延長されたのだ。

私も約1年待ってようやく買えたのだが、定価で$600だったので泣けた。チケットの幅は、$75-$850まであったが、私が買えた一番安い席が$600だったのだ。しかしダフ屋に出ると、瞬く間に最低でも$1000で、高いと$7000くらいは付いていた。混雑を避けるために、買いたい人は、事前にチケットマスターに登録が必要で、抽選で当たった人だけが買えるシステムだった。私の友人の中には最後まで抽選で当たらなかった人も多かったので、$600で買えただけでもラッキー?!だったのかもしれない。一体いくらまで出すのが妥当なのか何度も悩んだ。

皆さんは、これまでライブのチケットに最高いくらまで出したことがありますか?

しかし、今回はさすがのプリングスティーンだ。$600出した価値のある内容だった。


まずアコギが鳴った瞬間。こんな良い音のアコギは聴いたことがないと思った。なので、今回アルバムとして発売されることになって本当に良かった。

具体的な内容については、これからアルバムが発売されるのであまり説明しない方が良いように思う。普段とは全く違うもので、1人1人に体験してもらいたい内容だから。


簡単に言うと、基本的には、スプリングスティーンが1人で2時間のパフォーマンスを行う。2016年に発売された自伝『ボーン・トゥ・ラン』を部分的に語りながら、アコギとピアノによる"Born to Run”や、”Thunder Road”なども演奏し、ブロードウェイショーとして形にしている。話す内容も決まっていて、毎日違うセットリストで、アコギライブを2時間やるわけではない。

ショーの始めの方に、「俺は、毎日9時〜5時の仕事をするのが嫌でミュージシャンになった。だから毎日同じ場所で同じ時間にやらなくてはいけない仕事はしたことがない..........今回までは」と言ったので早速会場が爆笑。しかし、続けて、「それなのに、日々同じ仕事を長年やって来た人達、労働者階級の人達の歌ばかり歌ってきた。それが得意なんだ」とも言っていて、笑いがあったり、急に深くなったりした。

私が観た日は、スプリングスティーンが涙を拭う場面すらあった。毎日同じ場面で泣くのだろうか?.......と思いながら他の回に行った人に聞いたら、その日は泣いてなかったというので、日によってやはり感情が入る度合いも違うのかもしれない。

父の話をした瞬間に思い切り感動し、また母の話をした瞬間に会場から息を飲むような声が上がった。さらに、彼が今のアメリカの情勢に付いて触れ、怒りをあらわにする場面もあった。


「自分は自分が誰なのかを探求することで、アメリカがどんな国なのかを探求しようとしてきた」とスプリングスティーンは語った。普段のスプリングスティーンのライブは始まった瞬間に高揚感の頂点で、そのあと3時間その頂点が続きまくることが多い。

しかしこのショーは、本質は同じでありながらもそれをじっくりと1歩ずつ歩みながら考えるものになっていたと思う。いつもならアリーナでもスタジアムでも簡単に埋められる彼が、今回は1000人も満たない場所で、1週間に5日、1人1人に語りかけるように236回黙々とショーをやり続けた。そして、彼がそういう方法を選んだのは、今のアメリカの狂ったような情勢と絶対に関係があると思った。


これまでになかったスプリングスティーンを、ぜひアルバムとNetflixで体験して欲しい。
収録曲は以下の通り。イントロダクションとなっているけど、曲の説明があり、その曲を演奏する、というものではない。

Disc 1
1. Growin' Up (introduction)
2. Growin' Up
3. My Hometown (introduction)
4. My Hometown
5. My Father's House (introduction)
6. My Father's House
7. The Wish (introduction)
8. The Wish
9. Thunder Road (introduction)
10. Thunder Road
11. The Promised Land (introduction)
12. The Promised Land

Disc 2
1. Born in the USA (introduction)
2. Born in the USA
3.Tenth Avenue Freeze-Out (introduction)
4. Tenth Avenue Freeze-Out
5. Tougher Than the Rest (introduction)
6. Tougher Than the Rest
7. Brilliant Disguise (introduction)
8. Brilliant Disguise
9. Long Time Comin' (introduction)
10. Long Time Comin'
11. The Ghost of Tom Joad (introduction)
12. The Ghost of Tom Joad
13. The Rising
14. Dancing In the Dark (introduction)
15. Dancing In the Dark
16. Land of Hope and Dreams
17. Born to Run (introduction)
18. Born to Run
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