ビョークの超ハイテク「フェミニストおとぎ話」「SFポップコンサート」をNY新観光名所で観た! 新MVも公開。

  • ビョークの超ハイテク「フェミニストおとぎ話」「SFポップコンサート」をNY新観光名所で観た! 新MVも公開。 - Photos: Santiago Felipe, 2019. Courtesy One Little Indian/The Shed.

    Photos: Santiago Felipe, 2019. Courtesy One Little Indian/The Shed.

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ビョークが、NYに最近できたハドソンヤーズという新観光名所の中のThe Shedというアートベニューで、こけら落しイベントの中でも最も期待されていた『Cornucopia』を披露した。そのプレビューとなった初日5月6日に観て来た!

このパフォーマンスは、『ユートピア』での曲や思想を中心にした内容で、一言で言ってしまえば、ビョークの脳の中を見せてもらったような感じがするショーだ。彼女は、これまでにも、最新のテクノロジーを駆使して試行錯誤してきたと思うが、今回それがとうとうその頂点に達したというか、テクノロジーがとうとう追いついて実現したと感じる様なこれまでのショーに比べて規模も内容も大きく飛躍したものとなっていた。

それが垣間見られる最新のMV“Tabula Rasa”が公開されている。


この超高画質の映像が巨大な特殊スクリーンに映し出され、その他の様々な要素が混じり合いながら全方向でビョークの脳みそを体感することになる。

彼女がアイスランドから連れて来た50人のコーラス隊が登場するし、『ユートピア』同様、フルートを貴重にしたサウンドが使われている。4つのフルートが円を描いてつながっているものさえあって、ビョークはその中で歌う瞬間もある。


また、このショーのためにオーダーメードで作られた楽器もいくつもあり、例えば、いきなり上から降りて来る巨大な大砲かと思う筒がある。それは、アイスランドで作ったパイプオルガンで、1曲でしか使われない。


さらに、ステージの右にはかまくらなみたいな部屋が置いてあって、ビョークが時々その中に入って歌う。それは、「リバーブ部屋」と呼ばれていて、これ。


ビョーク曰く「私は喉のウォームアップをすると、頭もそれに共鳴するように思う。頭蓋骨の中に自分だけのチャペルを持っているようなものだと思う。だからこのリバーブ室の形や天井はそれを表したもの」。そこに入って歌う時は、彼女が子供の頃にひとりで森を歩いていた時の響きを再現しているのだそう。

さらに、ステージでは、精密に計算されて配置されたサウンドが360度から聴こえてくる。全員の衣装はバルマンが手がけ、ヘッドピースは、James T. Merryが手がている。舞台の監督は、アルゼンチンの映画監督ルクレシア・マルテルが手がけ、映像は“Tabula
Rasa”を作ったTabias Gremmlerが手がけている。

ここまで贅沢なメンツを集めて彼女の世界観を実現できたのは、やはりこのNY新名所のオープンがあったおかげだと思う。

ビョークはこのショーについて「デジタルシアターかSFポップコンサート」と名付けている。また、全体のテーマは、『ユートピア』に引っ張られたもので、「フェミニスト的なおとぎ話で、希望があるオルタナな未来」を描いたものだとNYタイムズ紙に語っている。

さらに「意図的に恍惚なもので、だから、皮肉でもある」とも。

また、『ヴァルニキュラ』は私にとっては、基本的にはとってもとっても悲しいアルバムだった。ちょうど冬のアイスランドみたいなもので、地面に岩があるだけで、草木はない。だからメロディは本当に地面を這いつくばってる。大きく飛躍する瞬間すらない。それに比べたら、『ユートピア』は、繁茂した島の上空に打ち上げられた花火を3Dスキャンのようなもの」と。正に、花火の3Dスキャン、を体感するようなショーなのだ。『ユートピア』以外の曲も披露されるが、最新版にアレンジされている。

サウンドも、ステージからはフルートの音が聴こえたと思ったら、後ろの方から鳥の鳴き声が聴こえるような瞬間もある。ビョークは「(アルカと)シンセのサウンドをフルートのようにしたいと言っていて、フルートのサウンドを鳥の鳴き声のように使いたいと言っていて、鳥のサウンドをシンセのサウンドにしようと言っていた。地を這う様なサウンドはどこにもない」

「ショー全体は、女性同士で助け合うことを表現している。フルート奏者は女性で、彼女達はビョークのアイスランドのキャビンに何年間も通っていたそう。「金曜日はフルートデイにして、1日中ブランチをしてリハーサルをしていた」。このショーでのフルートのアレンジをビョークは「未来のためにフルートフォークミュージック」と呼んでいる。


また、このショーには、全体を象徴するように、ノーベル平和賞にも推薦されたスウェーデンの16歳、地球温暖化に抗議する活動家グレタ・トゥーンベリによるメッセージを伝える映像が流れる。

ビョークがNYタイムズ紙で興味深いことを言っているのだけど、ビョークの娘さんが、最近地球温暖化のストライキに参加したのだそう。「彼女達をすごく誇りに思っている。彼女達は、抗議活動にものすごくパワーがあると分かっているから」と。トム・ヨークが息子さんについて言っていたのと全く同じだ。
https://rockinon.com/blog/nakamura/186126

アメリカにいてもそうだけど、銃乱射の後すぐに立ち上がって抗議活動を行なったフロリダの高校生の登場の瞬間から、今の若い世代、ユースが、何かが目に見えて大きく変わったように思う。話は飛ぶが、ビリー・アイリッシュの登場も絶対それに関係している。アメリカの大人、とりわけ一番上に立っている人はでたらめだけど、ユースはリアルを見ているし、そこで何をすればいいのかにおいて冷静で賢い。

ビョークは『ユートピア』とは、「自然ともっと思いやりのある方法で関わる方法を提示した作品だった。それを女性的な視点で始めてみるというのは、役立つじゃないかと思っている」と。それをこのショー全体で表現しているのだ。

The Shedでは、その他、ベン・ウィショーとルネ・フレミングが豪華共演する芝居『Norma Jeane Baker of Troy』や、


ゲルハルト・リヒターとスティーヴ・ライヒとアルヴォ・ペルトの作品が共演するショー『Reich Richter Part』など独自で独創的なイベントがいくつもあり、


現時点ではほとんど全部行っている。
https://theshed.org

この建物があるのが、ハドソン・ヤーズという、NYでオリンピックが行なわれなかったため作られたショッピングモール&高級住宅地。それ自体はださい。


ニューヨーカーは「金持ちの遊び場」と嫌ってるのだけど、The Shedだけは期待されている。建築したのもの超有名で売れっ子の Diller Scofidio + Renfro。この建物は同じく彼らがデザインしてニューヨーカーが大好きなハイラインという公園の終わりにThe
Shedがあるので、個人的には、The Shedはださいハドソン・ヤーズではなくて、ハイラインの終点と見なしている。NYに来る機会がある方はぜひ要チェック。


ビョークの『Cornucopia』は6月1日まで行なわれる。チケットは売り切れている。
https://theshed.org/program/29-bjork-s-cornucopia

セットリストは以下の通り。

The Gate
Utopia
Arisen My Senses
Show Me Forgiveness
Venus as a Boy
Claimstaker
Isobel
Blessing Me (with serpentwithfeet)
Body Memory
Hidden Place
Mouth's Cradle
Courtship
Pagan Poetry
Losss
Sue Me
Tabula Rasa
Encore
Future Forever
Notget

Björk’s Cornucopia opening performance on May 9, 2019, commissioned at The Shed and presented in The McCourt. Created by Björk, directed by Lucrecia Martel, digital visuals by Tobias Gremmler, headpieces designed by Jame Merry. Chiara Stephenson, set designer, Iris Van Herpen, costume designer, Olivier Rousteing, Balmain, costume designer.

On stage: Björk, Katie Buckley, harp, Manu Delago, percussion, Bergur Þórisson, electronics. Viibra Flute Septet: Melkorka Ólafsdóttir,
Áshildur Haraldsdóttir, Berglind Tómasdóttir, Steinunn Vala Pálsdóttir, Björg Brjánsdóttir, Þuríður Jónsdóttir, Dagný Marinósdóttir.


Photos: Santiago Felipe, 2019. Courtesy One Little Indian/The Shed.
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