トレント・レズナーがデヴィッド・フィンチャーと再コラボした映画『Mank/マンク』の予告編公開。ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』も12月配信で、トレントの期待作が目白押し

トレント・レズナーがデヴィッド・フィンチャーと再コラボした映画『Mank/マンク』の予告編公開。ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』も12月配信で、トレントの期待作が目白押し

トレント・レズナーとアッティカス・ロスが再びサウンドトラックを手がけた、デヴィッド・フィンチャー監督の『MANK/マンク』の予告編が公開された。こちら。

https://www.youtube.com/watch?v=aSfX-nrg-lI&feature=youtu.be

これはNetflix作で、12月4日に世界同時配信される。

トレント・レズナーがツイートしていたが、すでに制作過程を披露するウェブサイトができている。

https://twitter.com/trent_reznor/status/1318945084151267328

これが息をのむように美しいので是非見て欲しい。そこで流れているのがトレントとアッティカスが手がけたサントラだ。ピアノにオーケストラで作られたサウンドは、これまでの彼らが作ったサントラとはまた全く違うので大きな挑戦になったのではないかと思う。

と思っていたら、なるほど。トレントが、「Revolver」に語ったところによると、この映画の舞台が1930~40年代なので、その当時に存在した楽器だけを使って制作したということ。

「この作品ではモジュラー・シンセサイザーは使っていない。時代に忠実にしたかったんだ。それが新たな挑戦となった」


『マンク』のティーザーが公開された時は、トレントが「ありがたいことに、2020年はこの素晴らしい作品にどっぷりと浸かっていた」とツイートしていた。

https://twitter.com/trent_reznor/status/1314276047857180672

物語は、ゲイリー・オールドマン演じる『市民ケーン』の脚本家であるハーマン・J・マンキーウィッツを主人公に、彼がその脚本を書いている時に起きた騒動が描かれている。この作品のポイントのひとつは、脚本をフィンチャーの父であるジャック・フィンチャーが執筆しているということ。残念ながら2003年に亡くなっているが、フィンチャーは本当は『ゲーム』(1997年)の後にケビン・スペイシー主演で撮影しようと思っていたのだ。しかし、モノクロであるということで製作できず、今回晴れて実現となった。フィンチャーは、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』、『マインドハンター』などNetflixのドラマシリーズで大ヒット作を手がけてきたが、映画は『ゴーン・ガール』(2014年)以来なのでなおさら楽しみだ。

また、トレントがフィンチャー作のサントラを初めて手がけた『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)は今年で10周年だ。それを記念してかアナログ盤と3Dオーディオが発売されている。

https://twitter.com/nineinchnails/status/1306277845325328384

トレントは、『ソーシャル・ネットワーク』のサントラを手がけるのを最初は断ったと言っていたが、引き受けたおかげで、オスカー受賞。その後の人生が大きく変わったと言えるので、フィンチャーのおかげとも言えるのではないかと思う。その後、フィンチャー作では常連となり、『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)、『ゴーン・ガール』(2014年)のサントラも手がけている。

以下その他のトレント最新情報。

1)『ソウルフル・ワールド』

ピクサーの最新作『ソウルフル・ワールド』のサントラもトレントとアッティカスが手がけている。

https://www.youtube.com/watch?v=Gs--6c7Hn_A

これはDisney+にて、12月25日から世界配信される予定だ。

これもトレントらしからぬ作品なのでやってみたかったのだろうなと思うが、本人がローリング・ストーン誌に的確に説明している。

「ロバート・デ・ニーロかまたは違う人だったかもしれないけど、この映画についてどう思いますか?と訊かれて、『僕は完成した映画は観てないんだ。それが目的でやってるわけじゃないから。僕がこの映画をやっているのは、その製作過程のためだ』と言っていて、それはちょっと変わってるな、とその時は思ったんだ。

だけど、自分の人生に置き換えてみたら、僕らが映画のスコアの仕事を引き受けるのも、別に興行成績で成功したいためでもないし、Rotten Tomatoesで良いレビューを獲得したいからでもない。もちろん、それが良い結果であれば嬉しいけど。

それよりも、その世界観にどっぷりと浸かり、これまでコラボレーションしたことのない人と仕事して、彼らから何かを学び、彼らと闘い、彼らのやり方を学ぶという、それが楽しいところだ。とりわけ自分が共感できるような人だった場合はね。間違いなくデイモン・リンデロフ(『ウォッチメン』のクリエイター)はそうだった。

だから誰かに『ピクサーのアニメーションの仕事したい?』と訊かれたら、アニメーションにかけては彼らより上の人達もいないと思うから、もちろんだよ、と答えた。それで、ピート・ドクター(ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサー)に会ったんだ。

彼は思っていた通りの人だったよ。すごく本物な感じがしたし、面白そうだったし、僕らがこれまでやった仕事とは全然違っていた。やり方も、考え方も全く違ったんだ。しかも、僕らと仕事するのは、彼らにとっては危険な選択だ。つまりそれが魅力だったんだ。

それでもできるのか?と考えた。つまり僕らは普段通りの居心地の良い方法では仕事できないわけだからね。現時点ではまだ初期の段階だけど、すごくクールだよ。でも分からないよ。僕らがピクサーを少し暗くしてしまう可能性だってあるからね」


『ソウルフル・ワールド』は、ロンドン映画祭でプレミア上映されたが、トレントは気にしないというRotten Tomatoesでなんと現時点では満点の100点を獲得している。超期待!

2)ロックの殿堂入り式典

https://twitter.com/nineinchnails/status/1294040097357103105

ナイン・インチ・ネイルズが今年はロックの殿堂入りを果たす。残念ながら会場で開催はされないが、式典は遠隔で行なわれ、アメリカでは11月7日に放送される。

https://www.youtube.com/watch?v=yQnkggjPbwU&feature=youtu.be

3)Netflixの名曲秘話を語る新シリーズ『Song Exploder -音楽を紡ぐ者-』で“Hurt"を語る

Netflixで始まった番組『Song Exploder』、もう観ましたか? これは元々ポッドキャストで、私も大好きでよく聴いていたんだけど、1曲がいかにできたのかをアーティストがとことん語るというシンプルなもの。なのだけど、音楽ファンならたまらなく面白い番組だ。それがNetflixで映像化されたのだ。ポッドキャストの時は、その時出た新作について語ることが多かったけど、Netflixでは名曲の秘話を語るという内容になっている。第1シーズンの配信がされているが、例えば、R.E.M.が“Losing My Religion"について語っている。

https://www.youtube.com/watch?v=rjIooIOtg4I&feature=youtu.be

面白いので是非観て欲しい。それが人気だったため、即第2シーズンが決定し、そこでトレント・レズナーが“Hurt"について語っている。シーズン2は、12月15日に配信が開始される。

トレントとアッティカスは、今年の9月に『ウォッチメン』でエミー賞を受賞。このローリング・ストーンのインタビューで、どのようにスコアしたのか語っていてめちゃくちゃ面白い。
https://www.youtube.com/watch?v=nnGAEAAhy7I&feature=youtu.be

コロナ禍で最も有意義な制作活動をしていた人達なのではないだろうか?

ナイン・インチ・ネイルズのほうは今年本来ツアーをする予定だったができなくなったので、その代わりに、過去のTシャツを2020年的ディストピア化して売っている。さすがだ(笑)。

https://twitter.com/nineinchnails/status/1308121175801774080

去年のリル・ナズ・Xの盛り上がりに続き、トレント・レズナーのアーティストとしての絶好調ぶりに何より感動する。


『ロッキング・オン』最新号のご購入は、お近くの書店または以下のリンク先より。


トレント・レズナーがデヴィッド・フィンチャーと再コラボした映画『Mank/マンク』の予告編公開。ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』も12月配信で、トレントの期待作が目白押し
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

洋楽 人気記事

最新ブログ

フォローする