デイヴ・グロールが自伝発売。NYのイベントでなんとカートのボーカル入り”Smells Like Teen Spirit”でドラムを叩いた(映像あり)。初来日大阪公演でドラムを破壊した話なども出てくる。日本版の発売も決定!

デイヴ・グロールが自伝発売。NYのイベントでなんとカートのボーカル入り”Smells Like Teen Spirit”でドラムを叩いた(映像あり)。初来日大阪公演でドラムを破壊した話なども出てくる。日本版の発売も決定!

デイヴ・グロールが、コロナ禍でやることがなくて書き始めた自伝『The Storyteller: Tales of Life and Music』が発売された。NYでは2回イベントが行われたのだが、その2回ともに行ってきた!

デイヴ・グロールが自伝発売。NYのイベントでなんとカートのボーカル入り”Smells Like Teen Spirit”でドラムを叩いた(映像あり)。初来日大阪公演でドラムを破壊した話なども出てくる。日本版の発売も決定!

1)なんと”Smells Like Teen Spirit”をカートのボーカル入りトラックで叩いた(涙)。。

2回のイベントの内容は大きく違って、最初に行われた10月5日のタウンホールでは、なんと3時間以上にもおよぶ一生に一度と言えるようなパフォーマンスをした。キャパ1500人の会場に1人で出て来て、いきなりザ・ビートルズの”Eight Days A Week”の弾き語りで始まり、そこから、音楽との出会いと人生、ここまでのサバイバル物語を、写真を見せたり、楽器を弾きながら、語っていくというものだった。

言ってみれば、ブルース・スプリングスティーンが自伝を書いた後に、ブロードウェイで行ったパフォーマンスのようなものとビースティ・ボーイズが自伝を出した後にやったイベントと似てるけど、そこまで大掛かりではなく、そのデイヴさん版で、誰よりもDIYで、爆笑に次ぐ爆笑で、同時に胸が熱くなり、キュンとなる瞬間もたくさんあった。

アコギで、”Times Like These”, “My Hero”, “Learn To Fly”, “Best of You”, “Everlong”などが演奏されたのだけど、ハイライトは何と言っても、”Smells Like Teen Sprit”をカート・コバーンのボーカルが入ったトラックに合わせて、最初から最後まで演奏したこと(涙)。すでに色んなメディアが公開しているけど、観客が撮影した映像がこれ。


始まった瞬間、やったー嬉しい!とは思わず、何がなんだか意味が分からなくて凍った。

2014年のロック殿堂入りの時(ラッキなーことに会場で観ていたけど)、ニルヴァーナの曲を演奏したのは公ではカートが亡くなってから初めてではなかったでしたっけ??その直前にリハーサル的に小さい会場でライブしているけど。その時は、ボーカルが全員女性アーティストだった。

その後も、ニルヴァーナの曲をたぶん1度演奏しているけど、いつも他のミュージシャンが歌っていたと思うのだ。つまり、カートのボーカルで演奏するのってこれで初めてなのでは?と思ったのだ。

だから、うわああ何かすごいものを目撃してしまっていると思って、ワナワナしてしまったのだ。

これは、『ネヴァーマインド』のレコーディングの話になった時に演奏したもので、その後、本の中でも辛すぎて一番最後に書いたと言っていたカートが亡くなった話もした。ローリング・ストーン誌がカートが亡くなった時に使ったカートの写真が背景に映し出され、それまで爆笑に次ぐ爆笑だったのに、その時ばかりは、デイヴは、下を向いて数分間話せなくなってしまった。「これでも精一杯頑張ってるんだ」と言うと、会場から拍手が沸いた。

デイヴ・グロールが自伝発売。NYのイベントでなんとカートのボーカル入り”Smells Like Teen Spirit”でドラムを叩いた(映像あり)。初来日大阪公演でドラムを破壊した話なども出てくる。日本版の発売も決定!

もうひとつは、老舗文芸誌ニューヨーカー誌が毎年行なっている”New Yorker Festival”に出演。野外で行われ、Q&A方式で、そこでも最後にアコギで演奏された。


2)初来日大阪公演について。

あまりに面白くて自伝は一気に読み終えた。

中で初来日の話なども出てきた。

来日する直前に、”Come As You Are”のMVの撮影があり、久しぶりにバンドが集まったのだけど、その時にカートの体調が明らかに悪くて、心配したという話。

MVでは、映像がボヤけていてあまり分からないようになっているけど、その時カートがあまりにか弱くなっていたのを見て、「ショックを受けた」と書いている。だからそのMVのボヤけた映像に反して、「そこからバンドが、混乱の時代に突入するのが、自分には明確に見えていた」

しかし、その後に、夏のオーストラリア・ツアーがあり、大きな気分転換となりそこでバンドが持ち直せるかもしれないと思えた、と。さらに、日本に行ったら、これでバンドは大丈夫だと思えた、というのだ。日本文化のカルチャー・ショックを楽しんだし、大好きだった、と書いている。

「オーストラリアが別の半球にあるとしたら、日本は別の惑星にあるように思えた」、「それが大好きだった」と。

「大阪で最初のライブが行われたのだが」、その会場が自分たちがそれまで演奏した汚いバーとは全く違って、「むしろケネディ・センターかというような会場だった。シャンデリアは天井からぶら下がっているし、椅子は美しいベルベットだった。ステージにも塵ひとつ見つからなかった」。

ちなみに、補足すると、その前のアメリカ、ヨーロッパ・ツアーでは、バンドの大きさに会場がまるで追い付いてなくて、キャパ以上の観客が入っていたばかりか、観客が、どんどんステージに上がって来て危険なカオスになっていた。なので、デイヴは、ステージに上がったらまず、出口はどこかを確認する習慣が付いていたと言うくらいなのだ。というところからの日本公演でのギャップだ。

「観客は、椅子の上には立っては良かったけど、そこから動いてはいけなかった。そして通路には、白い手袋した警備の人たちが並んでいて、観客が椅子から大きく動こうものなら、押さえつける準備万端だった。それを観て、俺たちはいつも以上に強烈なライブをした。これまでないくらいに強烈に曲を演奏することで、観客がそれを突破するようなことをしようとしたんだ。というのも、俺がドラムセットの後ろから観客を観ている限りでは、観客はそれを突破したいと思っているのが分かったし、もっと叫びたい、感情を爆発させたい、反旗を翻したい、と思っているのが分かったから。

何曲かに1回、それを突破して、ステージに向かって走ってくる観客はいた。だけど、その白い手袋に止められ、会場から出されるだけだった。

だから俺には、それが『俺たち対奴ら』に思えて、ますます、強烈な演奏をした。

そしてライブの終わる前には、俺たちみんなどうやってその日のライブを終えるべきなのか完璧に分かっていた。自分たちの楽器を粉々に破壊することだった(その頃までにはそれは、お決まりにはなっていたのだが)。観客が見つめる中、俺たちは、楽器を完璧に破壊した。それはまるで、3人の子供たちがお父さんとお母さんに、『今日は夕食後のデザートは抜きです』と言われ、大暴れしているようなもので、つまり俺たちは、観客にデザートをあげたんだ。

ステージに、グチャクチャになったドラムと、アンプと、鳴り止まないフィードバックを残して去ると、ブルブルと震える若い日本人の男性が俺のところにやって来た。今にも泣きそうになりながら、「ドラムが気に入らなかったでしょういか???」と震えるような声で訊いてきた。

『違います、違います。ドラムは最高でした!』と言って少し混乱した。というのも、他の国だったら、今日のパフォーマンスは、『大成功!』とみなされるようなものだったから。だけど、日本は、敬意と礼節を重んじる国だ。俺たちのライブは、あまりに恥知らずな反抗の行動であり、この国では、普通ではなかったのだ。それとこの男性は、TAMAドラムの代表者だったので、自分たちが用意したドラムを俺が好きじゃなかったのかと思いビビっていたんだ。なので、俺は彼に丁寧に説明した。『俺たちの反乱は、あなた達が用意してくれた美しいドラムとは無関係です。俺はこのドラムが演奏できて光栄でした。これは、むしろ祝福の行動だったのです』と」


これ以外にも、別の年に、大阪でヒューイ・ルイスがハーモニカで参加した時の裏話や、サマソニでリック・アストリーが出演した話も出てくる。

想像付くと思うけど、全編にわたり、笑いながらも、泣きそうになる最高のロックンロール物語だ。

個人的には、まだ彼がニルヴァーナに入る前のバンドにいる頃、20歳くらいの時に、偶然にもイギー・ポップと1日だけ共演できることになる話などに、最高に感動した。

3)日本版発売決定!

そしてこんな面白くて感動的な自伝ぜひ日本の皆さんにも早く読んでもらいのだが、日本版の発売が決定!

出版社は、DU BOOKS。ただし、まだ発売日などは決まってないそう。楽しみにお待ちください。その頃までには、フー・ファイターズの来日が決定してくれていたりしたら嬉しいんだけど〜。
https://twitter.com/du_books



ロッキング・オン最新号(2021年11月号)のご購入は、お近くの書店または以下のリンク先より。

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