オリヴィア・ロドリゴ、グラミー賞受賞後、現在今年最もチケットが取れない初ソロ・ツアーを決行中。NYラジオシティでライブを観た。〈速報〉

オリヴィア・ロドリゴ、グラミー賞受賞後、現在今年最もチケットが取れない初ソロ・ツアーを決行中。NYラジオシティでライブを観た。〈速報〉 - pic by Sachyn Mitalpic by Sachyn Mital

今年のグラミー賞で主要部門4冠とはいかなかったものの、デビュー作で7部門もノミネートされ、3部門も受賞する快挙を達成した19歳のオリヴィア・ロドリゴ。現在初のソロ・ツアーを行っていて、NYではラジオシティ・ミュージック・ホール(キャパ6000人)x2日間ライブを行ったので、今日観て来た。

この彼女のキャリア初ツアーは、今年間違いなく最もチケットが取れないライブだった。私自身、普通に買おうとしても抽選で外れたし、ダフ屋で見ても、一番悪い席で軽く500ドル以上付いていて、全く手が出なかった。こんなに取れなかったのは、ビリー・アイリッシュが同じ会場でやった時以来だが、オリヴィアの値段の方が、ビリーの時よりもさらに高値だったと思う。だから、もう諦めていたのだけど、なんと幸運にも観ることができた。奇跡。ありがとうございます。

今、ローリング・ストーンのインスタで同じ会場の映像が少し見られる。
https://www.instagram.com/s/aGlnaGxpZ2h0OjE3OTM4Njc0MzI5MDM4NDcw?story_media_id=2825377654915949345&igshid=YmMyMTA2M2Y=

それでこのライブについては、6月7日発売のロッキング・オン(7月号)で詳しくレポートさせていただく予定なので、簡単に速報。

ライブは、何から何まで素晴らしかった。まず何がすごいかと言うと、”drivers license” でデビューし、いきなり史上最高かという記録を打ち立てて大ブレイクしたわけだが、その曲をいきなり3曲目でやってしまうこと。それが彼女の偉大さを簡潔に象徴している。

普通は、デビュー曲が大ヒットしたら、その曲こそがみんなが聴きたい曲で、その曲を最後に演奏するのがほとんどだと思うのだ。とりわけ、これはそのヒット曲の後の初ツアーなわけだし。

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それなのに、3曲目にもう演奏してしまった。つまり、彼女にとってはその記録的なヒットによる大ブレイクは、単なる始まりでしかなかったということ。それ以上にファンが待っている曲が”deja vu”から”good 4 u”から、1曲目の”brutal"だって大合唱で、私が座っていた席があまりに揺れて、絶対に床が抜けて落ちるんじゃないかと、すごくハラハラしたくらいだった。

つまり、すでにそれを超えるその他のヒット曲がありすぎるのだ。彼女は、TikTokが売れた大きなきっかけともなったわけだけど、非常に伝統的なあり方で音楽を作って、アルバムとしてファンが聴いたということだと思うのだ。

さらに演出だって特にないのに、問題ないのだ。今時、巨大LEDスクリーンから、レーザー光線の演出に感動したりするくらいだが、彼女は、幕の色合いが変わるくらいだ。あるのは、ステージにバンドがいるだけ。女性で構成したバンドは、今時あまり聴かないギターソロを響かせたりもする。

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または、彼女がピアノを弾いたり、何のセットもなく、たった1人で、アコギで弾き語るコーナーもある。例えば、”hope ur ok”など。だけど、どの曲もこの曲こそ聴きたかったという感じで大合唱になるので、特にそれ以上必要ないのだ。

特別だったと言えば、アヴリル・ラヴィーンの”complicated”をカバーしたりしたこと。これは嬉しいサプライズだった。

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もっと驚くのは、これが彼女の初ツアーだということ。つまり、NYで初のライブが、ラジオシティ・ミュージック・ホール(キャパ6000人)x2日間完売。っていうのは、過去に例があるんだろうか?

ラジオシティというのは、アメリカにおいて、成功の象徴の場所だ。これまで何度も例えばインディ・バンドなどが、ラジオシティまで上り詰めた瞬間など観てきたけど、どのバンドも、この会場の初ライブにすごく苦労する。多くのバンドはここに来るまでは大体がスタンディングの会場を埋めながら、たどり着くので、ラジオシティの格式があり、椅子席の会場に来ると、ファンもバンドもかしこまってしまって、思い切りギクシャクするのだ。

それが、オリヴィアは、最初から最後の最後まで会場が揺れまくって、壊れないか心配なくらいだったし、絶叫につぐ絶叫で、女の子たちが、”アイ・ラブ・ユー!”と叫び続けるしで、かしこまっている暇もなかった。彼女のカリスマ性も去ることながら、パフォーマーとしての表現力、曲の良さも大きい。

また、何より彼女が最近公開されたドキュメンタリー”driving home 2 u”の中でも言っていたけど、「人と繋がりたい。そのために、大事なのはエモーションで、エモーションを通じて、人と一番繋がり合えると思ってる」と。だから彼女はエモーションを曲の中で隠さずに吐き出しているのだ。例えば、”traitor”を歌った時に、観客の身の乗り出し方も凄まじかった。

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今回”drivers license”を演奏する時に、「友達がこの曲を聴いて初めて、私の失恋した気持ちが理解できた、と言ってくれた。つまり曲って、うまく説明できないことも伝えてくれる力があって、それが音楽の最高のことだと思う」と語っていた。

彼女の曲が一瞬にしてこれだけ多くの人たちの心を掴んでしまったのは恐らくそれが理由で、この日のカタルシスのあるライブは多くのファンも彼女の曲を通して自分の感情も吐き出しているんだなあと思えるものだった。恐るべき才能の19歳。

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最後は元気いっぱいに、アメリカで実は現時点で一番売れているという曲”good 4 u”。あっという間だったが、ファンは完全燃焼という感じで大熱狂の中ライブは終わった。

ラジオシティの外は1ブロックくらいが『SOUR』ツアー祭りのようになっていて、卒業記念の写真みたいなものが撮れるブースや、刺繍を入れてくれるようなブースもあった。会場内の物販売場の列は見たこともないくらい長かった。

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また彼女の前座は、ホリー・ハンバーストーン。イギリスのSSW。彼女は1人で出てきて、その場で自分でキーボードや、ギターを弾きながらループさせて、サウンドを作っていく。

それ自体新しくはないが、TikTokなどでより宅録的なDIY音楽ポストを見すぎているせいか、彼女のパフォーマンスに特別な親近感を覚えて引き込まれていった。ブリット・アワードでのパフォーマンスも素晴らしかったし、今後もっと人気を獲得していくだろう。

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さらにオリヴィアつながりで前からレポートしたかったのが、オリヴィアの”good 4 U”を共同プロデュースしたアーティストAlexander 23だ。実はジョン・メイヤーの前座でNYのマディソン・スクエア・ガーデンに出演した時に観た。

ジョン・メイヤーの観客が来るのが早くて、前座の彼の段階ですでに2万人弱の観客席が満員という感じだったが、物語性のある歌詞と、非常にキャッチーでドラマチックな曲で、観客を大いに盛り上げていた。

GWには、オリヴィアが『SOUR』の制作について語りながらドライブし、曲をパフォーマンスしていくドキュメンタリーをぜひ見てみてください。

オリヴィア・ロドリゴのセットリスト
1. brutal
2. jealousy, jealousy
3. drivers license
4. Complicated (Avril Lavigne)
5. hope ur ok
6. enough for you/1 step forward, 3 steps back
7. happier
8. All I Want
9. Seether (Veruca Salt)
10. favorite crime
11. traitor
12. deja vu
13. good 4 u



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