トム・フォードってあのトム・フォードです。

「”A SINGLE MAN”、監督トム・フォード」。とトロント映画祭のスケジュール表に書かれていて、トム・フォードって、デザイナーのトム・フォード?まさか?映画撮れるんだっけ?とグーグルして確かめてしまった。が、本当にデザイナーのトム・フォードだった。しかも、ヴェニス映画祭で、主演のコリン・ファースが主演男優賞まで受賞。びっくり。記者会見上でも、彼の監督としてのビジョンをかなり明確に詳細に説明していて、この作品のテーマに対するパーソナルな想い入れと、純粋にアートを追求したのかったのだ、というその情熱を露にしていた。


映画のほうは、思わず”トム・フォード/フレグランス”とか”トム・フォード/アンダーウェア”とか、ロゴを入れたくなるような、TVCM的なゴーーーージャスな映像がいたるところにあり、さらに、ジュリアン・ムーア、コリン・ファースなど演技派が出演しているので、デザイナーが突然映画監督をした作品には思えなかった、が。という前提なしで観ると、映画全体としてのフロウが薄かったので、それが惜しい。優れたミュージック・ビデオを作れても、1時間半の映画を作ると息切れするビデオ・ディレクターにも似ているかも、と個人的には思った。ただ悪いデビュー作ではないと思う。
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