顔面蒼白……。

災難続きの『スパイダーマン』ミュージカル今日観て来ました。最後の最後、残すところ あと１、２曲という山場で、メリー・ジェーンが舞台に宙づりになり、そこにスパイダーマンが現れて助ける、というシーンだったのですが、メアリー・ジェーンが奈落に落ちて、スパイダーマンも落ちてしまいました……。

今の落ちる予定だったのか？何か変かもと思ったのですが、その次の瞬間に、床の下から女の子の泣き声して、舞台はすぐに「一時中断します」の放送。ばたばた動いている音が聞こえ、「公演はここで終わりです」の放送…………。

メリー・ジェーンが落ちるはずじゃなかったんだと思うけど、でもスパイダーマンも落ちちゃったから、どちらがケガしたのかわからないけど、でも、下にマットとかひいてなんだろうか？？？？？無事なんだろうか……とにかく心配だし、もう観客全員心配顔のまま劇場を去ることに……。５歳くらいの子供達もたくさんいたからびっくりしたんじゃないだろうか……。途中で終わっちゃったのはどうでもいいが、とにかく役者が心配だ。

もしかしたら今日が最後になるんじゃないかとすら思う。

『スパイダーマン』ミュージカルはとにかく災難続きで、始まりは、資金が足りなくて作業中断。開催さえ危ぶまれていたのだ。だから、当初は２月に上映開始の予定がそんなわけで、延期に。実は、今日観に行ったのは、元々は明日、12月21日が正式オープニングだったからだ。しかし、プレビューが始まった途端に、主役のピーター・パーカーを演じるReeve Carneyが両手骨折。両手骨折ですよ。しかも、もうひとり役者が片手骨折。さらに、女優が脳しんとうを起こして、しかし、それをおして次の日もやって、具合が悪くなるという、事故続きだっため、安全確認が必要とういことで、再び初日が延期になったのだ。今日のプレビューは引き続き行われたのだけど、プレビューの多くはキャンセルになっていた。現時点では、初日は２月に延期ということになっている。

このミュージカルは、ジュリー・テイモアが監督で、彼女は映画だと最近では『アクロス・ザ・ユニバース』、舞台だったら『ライオン・キング』を手がけている。彼女は壮大なビジョンを描くことで有名で、今作は、ブロードウェイ史上最高の予算で作られた。確かに、舞台装置やデザインには目を見張るように斬新で美しいところがたくさんあった。

最大の見所は、スパイダーマンが３階席まで飛び回る場面や、ゴブリンとスパイダーマンが観客の頭上、空中で戦う場面。それは、一見の価値ありでそれだけのために観に行ってもいいかも、というくらい。

それにもちろん、曲を書いたのは、ボノとエッジなわけで、ベタなミュージカルじゃない曲の使い方がユニークだったし、後ろでボノが歌っているのが聴こえてくるようなボノのメロディでありながらもやっぱりU２の曲とは違うので、そこが面白かった。テーマ曲は近年のU２の中でも最もキャッチーなギター・メロディが流れるし。

ただし、監督のビジョンがでかすぎて、まだまとまりきっていないという印象はあった。しかし、新しいことをやっているのは間違いないと思ったし、それにプレビューというのは、そういうのをならしていくためにあるのだから、中断してもいいのだ。バズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』観た時なんて、途中でバズ・ラーマンが出て来て説明したりしていた（笑）。だが！！！これだけ役者がケガしているんだから、ケガにだけは気をつけてくれよ、と強く思う。役者がかわいそうだ。監督やプロデューサーを信じて演じてるわけだし、みんな素晴らしい演技を見せていたし。

今後が気になります。本当は、次号のコレポンとカットで紹介しようと思っていたんだけど、どうなることか。明日のニュースで続報を捜してみます。とにかく役者の無事を祈ります。

写真２枚目クレジット：(c)2009, Joan Marcus