B.ディラン、M.スコセッシ、R.ロバートソン、リヴォン・ヘルムへの追悼文

B.ディラン、M.スコセッシ、R.ロバートソン、リヴォン・ヘルムへの追悼文

先日他界したザ・バンドのリヴォン・ヘルムにボブ・ディランとマーティン・スコセッシ、ロビー・ロバートソンがそれぞれ感動的な追悼文を発表している。

まずはマーティン・スコセッシ。
http://www.indiewire.com/article/martin-scorsese-reacts-to-levon-helms-death

「ジム・キャロルがかつてリヴォン・ヘルムを評して、彼は人を泣かせることができる唯一のドラマーである、と言ったことがあったけど、彼の言った通りだと思う。リヴォンのドラムは本当にデリケートで、巧みで、ビート以上のものを僕らに感じさせてくれたから。彼は音楽に鼓動をもたらしてくれたんだ。しかも、彼の高音の声は、あまりにソウルフルだった。彼のバンドメートだったロビー・ロバートソンは、リヴォンが歌うために、”The Night They Drove Old Dixie Down" を書いたんだけど、彼がそれを映画『ラスト・ワルツ』のハイライトともなったウィンターランドで最後に歌った時、それがどれほど感動的だったのか、僕は一生忘れることはない。

リヴォンはとても紳士的な人で、頂点を極めたアーティストで(素晴らしい俳優ですらあったと付け加えたい。『歌え!ロレッタ愛のために』における彼の演じた父親は、本当に豊かで、控えめで、とても感動的だったから)、そして僕がこれまでに出会った誰よりも音楽を深く、心から、愛している人だった。だから僕はリヴォンと一緒に仕事する機会に恵まれたことを本当に幸運に思う。そして、僕は、その他たくさんのたくさんの人と同様に、彼がいなくなってこしまったことを本当に寂しく思う」。

ボブ・ディラン
http://www.bobdylan.com/us/news/response-levon’s-passing
「彼は最後の最後まで本当に僕の親友だった。そして彼は、僕の世代にとっては、またはすべての世代にとって、真のスピリットを持った最高の人だったと言えると思う。彼が亡くなったことが、あまりに悲しくてまだなんと言葉で表現していいのか分からない。僕はいまだに彼に初めて会った日のことも、そして、最後に会った日のことも、しっかりと覚えているんだ。彼は、本当に長い間一緒に、同じ試練をくぐり抜けてきた同士なんだ。彼がいなくなってしまって本当に悲しい。そして、もちろんすごくたくさんの人達も僕と同じ気持ちだと思う」

またNYタイムスのウェブサイトによると、
http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2012/04/20/dylan-fondly-recalls-levon-helm/

ロビー・ロバートソンは、亡くなる直前にヘルムをマンハッタンの病院にお見舞いに行ったそうだ。ふたりは、1976年のラスト・ワルツ以来一緒に演奏はしていない。ヘルムをお見舞いした直後、4月8日にローリング・ストーン誌に以下のコメントを発表している。
http://www.rollingstone.com/music/news/robbie-robertson-levon-helm-is-like-an-older-brother-to-me-20120418

「先週、僕は自分の古きバンドメートであるリヴォンが、ガンとの最終段階の闘いをしていると聞いて、本当にショックを受け、そして本当に悲しくなってしまった。僕は、てっきり彼は、のどの癌を克服したと思っていたから、まさかそんなに悪化していると思ってもいなくて、本当に心が張り裂ける想いだったんだ。それで、彼の家族にお願いして、彼に会わせてもらうことにしたんだ。

日曜日ニューヨークに行き、彼に病院で会うことができた。リヴォンと長い間過ごさせてもらい、僕らが一緒に過ごした本当に素晴らしく美しい日々について想いを巡らした。僕が生まれたときから知っている彼の美しい娘さんのエイミーとエイミーのお母さん Libby Titusと、旦那さんのドナルド・フェイゲンは、みんな本当に僕を温かく迎えてくれて、非常に辛い僕の気持ちを和らげてくれた。それから彼の奥さんであるサンディにも心からお見舞い申し上げます。

リヴォンは、僕がこれまで出会った人の中でも最も才能のある人で、僕にとってはお兄さんのような人だった。最後に一目会えて本当に良かったと思っている。僕は、彼がいなくなってこれから一生寂しく思うだろう。そして、彼をこれからも永遠に愛し続けるだろう」
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