U2、カレンO、ウィン・バトラーなどもノミネート。混戦アカデミー賞ノミネーションの反応色々

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アメリカで1月16日にアカデミー賞のノミネーションが行われました。先日発表されたゴールデン・グローブでも『アメリカン・ハッスル』が3部門受賞と、ひとつの映画が独占という結果には終わらなかったように、今年は良い映画がありすぎて!大混戦。ノミネーションの段階でも、すでに、今年じゃなかったら確実にノミネートされていた人達がノミネートされないという自体が起きています。

まずノミネーションはこちら。
http://oscar.go.com/nominees

ノミネーション数としても、『アメリカン・ハッスル』と『ゼロ・グラビティ』が10部門で並び、『それでも夜は明ける』が9部門。とは言え、『それでも夜は明ける』は、今日アメリカで発表された批評家賞においても、作品賞を受賞とここまで批評家から絶賛され続けているのですでに混戦。

ローリング・ストーン誌、LAタイムズ紙、USA TODAY紙など、メジャー・メディアの反応を見てみるとざっくり以下の通り。


1)ロバート・レッドフォードが主演男優賞にノミネートされていないのはおかしい!
出演者ひとり、台詞がほぼない『オール・イズ・ロスト』で渾身の演技を見せたレッドフォード。早くから絶賛の声が集まっていました。どのメディアも筆頭で彼がノミネーションされてないのはおかしいと書き立てています。

レッドフォードはノミネーションされなかったことに関して、「オスカーにノミネートされるようにキャンペーンをしなかった」「キャンペーンというのは非常に政治的なので、その結果を気にするつもりもないし、動揺するつもりもない」とコメントしています。個人的にも絶対ノミネーションされるべきだったと思います。

2)トム・ハンクスが主演男優賞にノミネートされてないのはおかしい!
『キャプテン・フィリップス』において、元々名優であることは誰もが分かっている俳優でありながらその期待をさらに超える素晴らしい演技を見せていたトム・ハンクス。ノミネーションされなくてアメリカ中がショックを受けています。個人的にも同感です。また監督のポール・グリーングラスがノミネートされていないもおかしい!の声もたくさんあります。

3)オプラ・フィンフリーは助演女優賞でノミネートされるべき。
『大統領の執事の涙』でこちらも渾身の演技を見せたオプラをノミネートしないなんて! ローリング・ストーン誌のピーター・トラバースも大激怒。個人的にも、アメリカ一視聴率を獲る長寿番組に出演してきた彼女。オスカーの視聴率を獲ることを考えたら普通はそれだけでもノミネートするだろうと。しかも、本当に素晴らしい演技だったし。

4)コーエン兄弟の『Inside Llewyn Davis』がノミネーションされていないのはおかしい!
まったく同感。あり得ない!

5)『Fruitvbale Station』がノミネートされていないのはおかしい!
今年公開されたインディ映画の中でも、監督、主役、作品ともに、高い評価を得て、興行成績的にも成功を収めた作品。アメリカで現在も起きている黒人人種差別問題について鋭く描いた、事実を元にした作品。個人的にも、絶対にノミネーションされるべきだったと思います。

http://www.rollingstone.com/movies/videos/damn-you-oscars-says-peter-travers-20140116
http://www.latimes.com/entertainment/envelope/moviesnow/la-et-mn-oscars-2014-snubs-surprises-pictures,0,4191770.photogallery#axzz2qdG38Ffm
http://www.usatoday.com/story/life/movies/2014/01/16/academy-award-nominations-snubs-surprises/4498377/

追記で、ジェニファー・ローレンスが最年少で3回もオスカーにノミネーションされて話題になっているのと、また去年の『世界にひとつのプレイブック』に続き、デヴィッド・O・ラッセル監督の『アメリカン・ハッスル』に出演した俳優は、俳優カテゴリー全部でノミネーションされていることも注目されています。

また個人的にも注目なのは、音楽部門。
ゴールデングローブを受賞したU2他、スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』のカレンOがオリジナル・ソングで、ノミネーション。またオリジナルスコアでは、同じく『her』のサントラを書いたアーケイド・ファイアのウィン・バトラーとオーウェン・パレットがノミネートされています。

オリジナルソングにノミネートされた5曲はこちらで聴けます。
http://www.rollingstone.com/movies/news/hear-the-five-oscar-nominated-songs-20140116

またノミネーションされた俳優達の反応は以下の通り。

レオナルド・ディカプリオ(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』主演男優賞)
「ノミネートされて本当に光栄に思うし、マーティ(ン・スコセッシ)と、ジョナ(ヒル)はじめ、全出演者、スタッフとそれを分かち合えてさらに嬉しいです。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は僕にとっても特別な作品であり、この役はこれまでで最も難しい役であり、だからこそ最も得るものが多かった作品でもありました。ノミネートされた他の方達もおめでとうございます。そして、僕の演技を認知してくれたアカデミー賞に心から感謝します」

メリル・ストリープ(『8月の家族たち』主演女優賞)
「私とジュリア(ロバーツ)がノミネートされて、この映画のために本当に嬉しく思います。私たちはふたりとも『8月の家族たち』のことを本当に誇りに思っています。なので、アカデミー賞にノミネートされて非常に光栄ですし、感謝しています。きっとそのおかげで、この映画を見てくれる観客がいるかもしれないことを本当に嬉しく思います」

ジュリア・ロバーツ(『8月の家族たち』助演女優賞)
「この映画に出演したことで、私は一生に一度という経験をさせてもらいました。その上に、それが認識してもらえたことはボーナスのようなものです。これ以上嬉しいこともありません」

エイミー・アダムス(『アメリカン・ハッスル』主演女優賞)
「こんなに素晴らしい女優の方達と一緒にノミネートされて本当に光栄です。そして『アメリカン・ハッスル』と『her』の出演者、スタッフの皆さんおめでとうございます。その2本に出演できたことを本当に誇りに思います」

ジャレット・レト(『ダラス・バイヤーズ・クラブ』助演男優賞)
「ノミネートされるなんて本当にぶっとんでいます。まさか自分が人生においてこんなことを書くことになるなんて想像すらしていませんでした。(中略)『ダラス・バイヤーズ・クラブ』を通してAIDSとともに生きている人達、そして亡くなった人達の葛藤を理解してくれた皆さん、ありがとうございました。この映画は、このとてもユニークで大事な物語をどうしても語りたいと思った人達が情熱を注いで作り上げた本当に感動的な物語です。それを自分も一緒に祝福できて本当に嬉しく思います。そして関わったすべての皆さんに感謝します。マシュー・マコノヘーはじめ、みなさんおめでとうございます」

スティーブ・マックイーン(『それでも夜は明ける』監督賞、プロデューサー)
「『それでも夜は明ける』のすべての出演者、スタッフのためにも本当に嬉しく思います。この映画については、ここまで本当に素晴らしい経験をさせていただきました。その上アカデミーから9部門のノミネートされるというのは、それがどれだけ大変なことだったのかという証明にもなると思います。なので、心から感謝しています」

マーティン・スコセッシ(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』監督賞)
「アカデミー賞にノミネートされて本当に光栄に思います。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』については、素晴らしいスタッフに恵まれ、関わった人達全て一丸となって、この映画に必要な特別なエネルギーを作り上げてくれたと思います。その人達がいなかったら僕はこの映画を完成させることはできませんでした。なので、このノミネーションは、僕らのスタッフ全体が成し遂げたことが認知されたのだと思っています」

ファレル・ウィリアムス(『Despicable Me 2』オリジナル・ソング)
「アカデミー賞に本当に感謝しています。大変な名誉であり、驚きです。僕はアニメーション映画が子供の頃からずっと大好きです。今回の経験は、生涯忘れることのないものであり、何と言えばいいのか……だから、"I'm HAPPY!”です」

また、アニメーションと言えば、『風立ちぬ』がノミネーションされたのは、日本人の私たちにとってはとても嬉しいことですし、是非獲ってもらいたいと思っています。今年アニメショーン部門に関してはあまり良い作品がないので、期待は大です。

またドキュメンタリー部門でノミネートされた『キューティー&ボクサー』はNY在住40年の日本人アーティスト夫婦について描かれた作品です。アメリカ人監督による作品ですが、夫婦の素晴らしさもさることながら、それを見事にまとめあげた若き監督の才能がみなぎった内容。しっかり認知されて嬉しかったです。日本で絶賛公開中です!

オスカーの発表は3月2日! 先日のゴールデン・グローブはなんと大スターのノミネーションと、司会のコメディアンの面白さで、史上最高の視聴率を獲得しています。オスカーのプレッシャーも高いはず。

これから発売のカットでは、毎年恒例LAの小西未来君とオスカー対談もしますのでそちらもお楽しみに〜。今年の予想はとても難しいです。
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