東京カランコロン『UTUTU』全曲カウントダウンレビュー その10:そうだ、フェイシャルに行こう!

東京カランコロン『UTUTU』全曲カウントダウンレビュー その10:そうだ、フェイシャルに行こう!

東京カランコロン『UTUTU』、1月14日リリース!
発売日まで1日1曲ずつ、全曲をレビューしていきます。
あと4日!


10. そうだ、フェイシャルに行こう!

「フェイシャル」ってなんだろうって思ったけど、フェイシャルエステのことである。僕は行ったことがないので分からないけど、いちろー作詞のこの曲は、ヘコんだ女性が立ち直るきっかけとして「フェイシャルに行こう」というキーワードが使われている。タイトルはJRのキャンペーンの「そうだ 京都、行こう。」と、あとスウィング・ジャズのテイストがあるから、“A列車で行こう”も掛けているのかな。掛けてないのかな。

いちろーとせんせいによるデュエットが楽しい。ホーンの音色と軽快にハネるリズムが主人公を後押しし、そして何より絶品のメロディが気持ちをもり立てる。特にサビ、キラキラと明るくてポップだけど絶対に泣ける、完璧なメロですこれは。『UTUTU』というアルバムタイトルに寄り添うように、この曲で歌われているのもきわめて日常的というか生々しいアラサー事情で、「フェイシャル」なんて単語、ロックの曲ではあんまり耳にしないし、たぶん「荒れた肌何とかしよう」なんて気分を切り取ってポップソングを作ろうというソングライターもそんなにはいない。でもカランコロンはあえてそれをやり、魔法のようなメロディでドラマティックに描き出してしまう。ポップスのマジックここにあり、である。

ジャスト4分の曲だけど、聴いているともっとあっという間に過ぎていって、しかも耳に残る。ライヴで手拍子しながら聴きたい。生のブラスセクションとか加えてやってほしいんだけど、どうだろう?


明日は11曲目“かいじゅうになって”について書きます。
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