明日発売のニューシングル『HURTS』、からの”HURTS”。やばい。
この甘酸っぱい残り香とほろ苦い後味はなんだろう。凛とした強さはなんだろう。
言葉を超えて訴えかけてくる怒涛のような感情の波はなんだろう。
《毎日毎日とは言わないけれど
嫌な事が次から次へとやってきて
なんとなくの寂しさが夜に向かってやってくる》
というのはサビの部分の訳詞だが、元の英語詞と聴き比べるとおもしろい。
ここでいう「嫌な事」にはただ「one thing」という言葉が使われ、
「なんとなくの寂しさ」は「A trivial mind」と歌われている。
つまり、「嫌な事」なんて当たり前にそこにあるし、
「mind」=心はデフォルトで「寂しさ」を抱えている。
その気分がわかる人には、この曲は痛いほど刺さるよね。
《つまらない日々を小さな躰に
すりつけても減りはしない
少し淋しくなるだけ》
これはくるりの大名曲”ワンダーフォーゲル”の一節。
”HURTS”に歌われている気分は、この曲にとても近いような気がする。
もちろん、京都つながり、ということではない。
青春からは遠く離れて、すっかり馴染んだと思った淡々と続いていく生活の中で、
ふと帰ってくるあのメランコリーな気持ち。
ギターポップはいつも、甘さよりも切なさと親しい。