KANA-BOON『Origin』全曲カウントダウンレビュー(5)「anger in the mind」

KANA-BOON『Origin』全曲カウントダウンレビュー(5)「anger in the mind」

2月17日リリースのKANA-BOONサードアルバム『Origin』。その発売に向けて、収録曲を1曲ずつレビューしていきます。
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5. anger in the mind

いきなりけたたましく鳴り響くヘヴィなギターリフに驚かされる。続いて雷鳴のように轟くスネアロール、そして大ぶりなビートで叩き付けられるシンバル(本当に、この曲のこいちゃんのドラムは最高にかっこいい)。『Origin』の中でもっともハードで攻撃的な曲、それがこの“anger in the mind”だ。強い言葉を畳み掛け、谷口鮪は「感情を解放しろ」と叫ぶ。

“机上、綴る、思想”とは違うベクトルで、この曲も感情を爆発させる。しかし重要なのは、これが自問でも自戒でもなく、明確なメッセージとして投げつけられてくるところだ。見えない壁を打ち壊すため、ハンマーを振り下ろすように鳴らされるKANA-BOONのロック。初期衝動そのままといっていいそのモードを、ここまで筋肉質なサウンドに練り上げることができたのは、言うまでもなくKANA-BOONというバンドが成長し続けているからである。ナイーヴィティを置き去りにしてぶん回す向こう見ずな情熱。文字通り「anger」にも似たこの感情もまた、彼らが「原点」で取り戻したかったもののひとつなのかもしれない。
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