2月17日リリースのKANA-BOONサードアルバム『Origin』。その発売に向けて、収録曲を1曲ずつレビューしていきます。
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9. 革命
ノイジーなギターからタイトなビートへ雪崩れ込み、緊迫感のあるリフが心臓を高鳴らせる。一直線にアグレッシヴに駆け抜けるこの曲は、とにかく古賀隼斗のギターが圧巻である。正直いって、古賀がこんなにタフなギタリストだとは、この曲を聴くまで思っていなかった。幾重にも重ねられた音が、感情を掻き立て、心をざわつかせ、歌詞で歌われる「自分の中に革命を起こせ」というメッセージに鋭利なリアリティを与えている。
卵が先か鶏が先かという話だが、この歌詞とサウンドのコンビネーションは、KANA-BOONのバンドとしての成長なくしては生まれ得なかったものだ。谷口鮪が着想したスケッチに、古賀がギターという絵筆で線を描き加え、色を足していく。ふたりの筆のタッチが完全に一致したとき、楽曲としてのパワーは最大限に増幅される。優れたフロントマンの横には常に素晴らしいギタリストがいるものだが、この曲の鮪&隼斗の呼吸は、まさにそういうものだ。