ほかのバンドだってやっていることじゃないか、と思うかもしれないが、ライブの中のポイントとなる曲だけじゃなくて、ほとんどの曲でそれをやるというのは珍しい気がする。
そして、僕はそのGENの姿勢にこそ、フォーリミの誠実さと切実さが表れていると思っている。
「フェスは前戯でワンマンは本番」とGENはワンマンらしいたとえでワンマンライブで会えた喜びを語っていたけれど、要するに自分たちだけを観に来てくれたお客さんひとりひとりと、そこまで深く交わらないと嫌だし、そうでなければやる意味がないのだ、彼にとっては。
だからGENはいちいち曲のメッセージを言葉にするし、何度もこの関係が「いつか終わることを知っている」と言う。今しかないからこそ、どこまでも深くつながろう、と訴える。
そんなGENが、最後にフロアに向けてこう言った。「できれば、一生一緒にいたい」。ほかならぬ彼が発したこの言葉の意味は、すごく強い。
9月にはニューアルバムがリリースされることも発表された。GENは「気分次第で変わるかも」と留保しながら、タイトルを『eureka』(ユリイカ)にしたいと思っている、と宣言した。「我、発見せり」という意味だ。彼らが何を「見つけた」のか、今からとても楽しみだ。
と、いうことを考えている脳裏にRYU-TA演じるブルマン・オガタの姿がチラついて困る。あれは育てがいのあるキャラだ。