恵比寿リキッドルームでcinema staffの企画ライブ「前衛懐古主義 part1」。
東名阪で行われる初日なので詳しい内容は伏せますが、というかタイトルにある通りの内容なわけですが、これがじつにいいライブだった。
「いい」の理由にはいくつかあって、ひとつにはもちろん「懐かしい」という気分がある。飯田もMCで言っていたけど、音楽は記憶と結びついていて、だから5年前の曲が再現されるとき、そこには5年前の記憶も蘇ってくる。シネマの曲はどれも一筋縄ではいかない引っかかりのようなものがあって、その引っかかりが記憶を呼び覚ます。
でもそれと同時に僕が感じたのは、cinema
staffというバンドが、いかに真摯に、あえて言うなら愚直に、常に進歩を望み自分たちをリニューアルしてきたかということだ。今もそうだし、それは今日演奏された曲たちが生まれた当時もそう。どの曲も、1分前の自分たちをぶっ壊して新しい何かを求めるようなエネルギーに満ちていた。
終演後に会った三島も「別のバンドみたいでしょ」と笑っていたが、本当にそのとおり。過去曲の再現は、期せずして彼らの歩んできた道のりのロング・アンド・ワインディングっぷりを証明していた。いや、それを彼らは伝えたかったのかもしれない。だから「前衛」懐古主義。
おもしろいからまたやって。そしてそのぶんガンガン、前に進め、シネマ!
cinema staffのインディーズ時代音源再現ライブを観て
2016.10.17 23:33