いやあ、すごかった。一体いつの時代から抜け出してきた洋楽スーパーグループだ？ってくらいのテクニックとスケール感を持ったサウンドが、どこから聴いても「2015年日本の最先端」のスリリングでリアルなポップの極致を奏でていて、最後の1音まで胸熱くなりっ放しの2時間半はあっという間に過ぎていった。

大阪・札幌・横浜のアリーナ3会場を巡る、バンド史上最大規模のワンマンツアー「ゲスチック乙女～アリーナ編～」の最終日・横浜アリーナ公演。相変わらずちゃんMARIは「コポゥ！」コールで会場を不思議空間に引きずり込んでいたし、休日課長はほな・いこかにドSっぽくあしらわれていたし、川谷絵音のMCもいい感じにグダグダにリラックスしていたし、さらに“ホワイトワルツ”の「ゲスの4箇条」に“ドレスを脱げ”のコール＆レスポンスに……つまり、ライヴハウスと1mmも変わらないゲス乙女のまま、横アリぎっちぎち満員のオーディエンスをその音で酔わせるスーパーグループとして、ゲス乙女は僕らの前に立っていた、ということだ。

もちろん、メジャーデビュー後の快進撃によって、よりスーパーグループらしく「なった」という側面はあっただろうし、それはこの日初披露された新曲や、“無垢な季節”“オトナチック”など今年のシングル曲群の進化ぶりからも明らかだけれども、この日のダブルアンコールで披露していたインディーズ1stミニアルバム『ドレスの脱ぎ方』全曲爆演のジャズ／ロック／プログレ極限炸裂ぶりを観ると、ゲス乙女は最初っから破格の存在だったことが改めてよくわかった。そして、すでに来年決定している武道館2DAYSも、4人は意気揚々と乗り越えて、さらにその先へ向かっていくに違いない、ということも。詳細なライヴレポートは後日UPされるのでしばしお待ちを。（高橋智樹）