RADWIMPSのドキュメンタリー映画『RADWIMPSのHESONOO』の公開が2日後に迫る!
2016.03.09 21:40
ここにあるのは、RADWIMPSの「時間」と「感情」そのものだ。
トータル3ヶ月に及ぶ怒濤の体験の中で、彼らが向き合い、共有してきた時間の重さ。
時にかけがえのない瞬間に立ち会い、時に困難に直面しながら一歩ずつ前進する、その姿から抑えがたく滲む感情の質感。
作品やライヴとはまったく異なる形で、メンバーの想いと思考をリアルに活写した映像世界――。
この101分の作品を観た人の中には、彼らの3ヶ月間の「時間」と「感情」が鮮やかに胎動を始めるはずだ。
いよいよ公開目前のRADWIMPSドキュメンタリー映画『RADWIMPSのHESONOO』はそういう作品だ。
デビュー10周年を迎えたRADWIMPSが、昨年10月に行った初のアジア・ヨーロッパツアー「RADWIMPS 2015 Asia-Europe Live Tour」。
計11組のアーティストをゲストに迎え、全国各地で奇跡の競演を繰り広げた11月の対バンツアー「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 『RADWIMPSの胎盤』」。
そして、デビュー10周年イヤーの集大成として12月23日に幕張メッセで開催した、自身最大規模のワンマンライヴ「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL 『RADWIMPSのはじまりはじまり』」。
そんな濃密な日々を、カメラはつぶさに追いかけ、メンバーのコメントや関係者の証言とともに、彼らの「今」を浮き彫りにしていく。
上記のライヴのうち「RADWIMPSの胎盤」のスピッツ(11月23日)/Mr.Children(11月28日)との共演、幕張ワンマン「RADWIMPSのはじまりはじまり」は、僕自身も実際に会場で観ることができた。
草野マサムネの“叫べ”熱唱を受けて、「僕にとっての『愛してる』だったり『好き』だったりっていう言葉の中には、何割かスピッツがいる」と野田洋次郎が感激を露にしていたスピッツとの共演。
日本を代表するポップモンスターの渾身の熱演に応えて、冒頭から衝動の化身のようなアクトを展開、桜井和寿を迎えての“有心論”など珠玉の名場面が次々に飛び出したMr.Childrenとの一夜。
「胎盤」ツアーを通して磨き上げられた森瑞希&刄田綴色のWドラムアンサンブルとともに3万人をでっかく揺らし、「音楽の目を見て真っ直ぐ『うちらは誠実に生きてますから』って言えるから。そこだけは自信持ってるから」と切実な想いを野田が告げていた、幕張メッセのワンマンライヴ。
それらのステージで観たメンバーの姿は、デビュー10周年を迎えたRADWIMPSの「今」とその足跡を自ら全細胞レベルで謳歌するような高揚感と、自分たちと音楽の関係性をシビアに見つめて「その先」へ向かおうとするポジティヴィティに満ちたものだったように思う。
しかし、インサイド・オブ・RADWIMPSの視点から今作に焼きつけられたメンバーの姿は、前述の奇跡的な瞬間を「現実」として提示することの困難さと、苦悩や葛藤を抱えながらも一歩一歩前進しようとするタフな決意を伝えてくる。そして……この『RADWIMPSのHESONOO』にはもうひとつ、作品全体に通底する重要なテーマが存在する。それはいったい何か。その答えはぜひ、劇場で確かめていただきたいと思う。『RADWIMPSのHESONOO』は3月11日公開。公開後に改めてこの映画は何なのかということを書きたいと思う。(高橋智樹)