ONE OK ROCK全アルバムレビュー 4th『Nicheシンドローム』 【『Ambitions』リリース記念】

ONE OK ROCK全アルバムレビュー 4th『Nicheシンドローム』 【『Ambitions』リリース記念】

ベタかもしれないが、私がONE OK ROCKを知るきっかけになったのは“完全感覚Dreamer”であり、自分の音楽プレイヤーに最初に入れた彼らのアルバムは『Nicheシンドローム』だった。そんな当時の私のONE OK ROCKに対する印象は、「邦楽なのか洋楽なのか分からない、別次元のロックバンド」に尽きる。折り重なるサウンドの重厚さやスケールの壮大さ、泥臭く熱い日本詞すらスタイリッシュな英語に聴こえる発音の歯切れの良さと歌唱力から垣間見えた「外の世界」は、邦楽畑ですくすくと育っていた私にとっては衝撃だった。

世の中に蔓延る隙間(=Niche)を埋めるための音楽ではなく、広い視野を持ちながら誰にも文句を言わせない確固たるロックサウンドを掻き鳴らし突き進んでいく――メンバー脱退や活動休止を乗り越えて生み出された『Nicheシンドローム』、そのタイトルに込められた風潮への揶揄とそれらをぶち壊してやるという絶対的自信は《100点じゃないこの僕に100点つけるのは/他でもない僕自身だ!!それ以外どうだっていいんだ!!》(“未完成交響曲”)というどストレートな一節からもビシッと伝わってくる。「誰か」は関係ない、自分が信じるものをひたすら信じていけばいい。音楽の面白いところは、そんな自分本位感満載の曲の方が他者の心を強く打つことだし、このアルバムがまさにその証明になってくれる。隙間から除く狭い外景を見ていても仕方がない。顔を上げよう、世界は広い。(峯岸利恵)
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