ONE OK ROCK全アルバムレビュー 5th『残響リファレンス』 【『Ambitions』リリース記念】

ONE OK ROCK全アルバムレビュー 5th『残響リファレンス』 【『Ambitions』リリース記念】

先行シングルの1曲“NO SCARED”、オープニングの直後に配置された“LOST AND FOUND”、そして“世間知らずの宇宙飛行士”と、全編英語詞で書かれた楽曲が多く含まれている。ONE OK ROCKはそんなアルバムをオリコンチャートの2位に送り込んでみせた。また、中盤には“Mr.現代Speaker”や前述の“世間知らずの宇宙飛行士”のようにエクスペリメンタルなバンドサウンドを配置し、後の音楽的発展や世界進出の青写真ともなったアルバムだ。

英語詞には英語詞の鋭さと爆発力が、日本語詞には日本語詞の情緒と求心力があるのだということを、ONE OK ROCKの作品は教えてくれる。一概に翻訳すればいいというものではないし、感情を伴った言葉の響きこそが歌の基盤だ。その多様性を余さず表現するために、ONE OK ROCKのメロディとサウンドは、そしてTakaの歌声は成長し続ける。“アンサイズニア”は、日本語の情緒と英語の爆発力が見事に折衷したアンセムだった。ロックアルバムとしての強度をキープしつつ、ピアノやストリングスを絡めた壮麗なロッカバラード“Pierce”を残してゆくさまも素晴らしい。(小池宏和)
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