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    【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】4th『生活』

    【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】4th『生活』 - 『生活』1990年9月1日発売『生活』1990年9月1日発売

    恐るべき4人の絆

    エレカシというバンドが何であるのか、なぜ1986年に現在の4人になってから30年もの間、強い絆で結ばれたまま活動を続けているのか――その理由を深く探究していくと、最終的にぶち当たるのが、この4枚目のアルバム『生活』である。

    宮本は、このアルバムで極めてわかりやすい形で世間を見限った。唾を吐いたとか、背を向けたという言い方では足りない。自分と世の中を関係のないものとして位置付けたのだと思う。エレカシの武器が「メロディ」だろうが「バンドサウンド」だろうがお構いなしの歌と演奏が続く。しかし、宮本は「生きる」ことから逃げたのではない。たとえ、それが一歩も部屋から動かないということだったとしても、「生きる屍」にならずに「生きる」ことを目をカッと見開きながら全力で実践したのである。そしてメンバーは、そのことを何の迷いもなく理解していて、確信を持って鳴らす必要のない音を鳴らさずにこのアルバムに参加している。本当に恐るべきフロントマンと恐るべきバンドである。(古河晋)

    収録曲:
    1.男は行く
    2.凡人-散歩き
    3.toofinelife
    4.偶成
    5.遁生
    6.月の夜
    7.晩秋の一夜

    ※『ROCKIN'ON JAPAN』2016年1月号より転載

    過去のレビューはエレファントカシマシのアーティストページをご確認下さい。
    http://ro69.jp/artist/2218

    次の更新は2017年3月11日(土)7:00です。(毎日7:00、19:00公開予定)
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