オアシスのキャリア絶頂、ブリットポップの極点! ライブ・ドキュメンタリー映画『オアシス:ネブワース1996』を完全レビューする!

オアシスのキャリア絶頂、ブリットポップの極点! ライブ・ドキュメンタリー映画『オアシス:ネブワース1996』を完全レビューする! - rockin'on 2021年11月号 中面rockin'on 2021年11月号 中面

文=粉川しの

9月23日から劇場公開が始まっている『オアシス:ネブワース1996』は、オアシス解散後に製作されたドキュメンタリーとしては『オアシス:スーパーソニック』に続く2作目の映画ということになる。

今作と前作には、幾つか共通点がある。まず第一に、ドキュメンタリーの製作にノエルリアムのギャラガー兄弟が揃って全面参加しているという点だ。あれだけいがみ合って解散したにも拘わらず、解散後まともに顔を合わせた形跡がないにも拘わらず、それでもふたりが足並み揃えてオアシス回顧プロジェクトに取り組んだ事実は、ファンとしてもグッとくるものがある。現在のオアシスに対するふたりのスタンスは、再結成したい弟vs再結成したくない兄と真逆だが、兄弟がレガシーとしてのオアシス愛を共有していなければ成立しなかったドキュメンタリーだろう。

『ネブワース』と『スーパーソニック』の第二の共通点は、どちらも当時の映像に徹したドキュメンタリーであり、劇中でフィーチャーされるギャラガー兄弟や関係者たちの最新インタビューは音声のみで、現在の彼らは一切スクリーンに登場しないという点だ。例えばリアム・ギャラガーのソロ・ドキュメンタリー『リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ』が過去と現在を一本道で繋ぎ、その道をひた走る「今」のリアムにフォーカスした作品だったのとは対照的で、過去の栄光を真空パックしたかのような『ネブワース』と『スーパーソニック』においては、今のリアムやノエルは不純物として取り除かれる徹底ぶりなのだ。

彼らがあの時代のオアシスに向ける眼差しは、自分たちの歴史を超えた神聖なものに向けられていると感じる瞬間すらある。(以下、本誌記事に続く)



オアシスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』11月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

オアシスのキャリア絶頂、ブリットポップの極点! ライブ・ドキュメンタリー映画『オアシス:ネブワース1996』を完全レビューする! - rockin'on 2021年11月号 右:表紙/左:表2rockin'on 2021年11月号 右:表紙/左:表2

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