ロッキング・オン最新号は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ総力特集! ジョン・フルシアンテが戻り、リック・ルービンと再び組んだ最強新作『アンリミテッド・ラヴ』。最新インタビューですべてのストーリーを語った!

ロッキング・オン最新号は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ総力特集! ジョン・フルシアンテが戻り、リック・ルービンと再び組んだ最強新作『アンリミテッド・ラヴ』。最新インタビューですべてのストーリーを語った! - rockin'on 2022年5月号 中面rockin'on 2022年5月号 中面

待望の瞬間がとうとうやって来た。ギターのジョン・フルシアンテが、レッド・ホット・チリ・ペッパーズに復帰したのだ。2枚組にしてキャリア初の1位を獲得した『ステイディアム・アーケイディアム』の後、2009年にジョンが2度目の脱退をしてから13年。ジョシュ・クリングホッファーのおかげで崩壊を免れたが、ジョンを迎えて12作目となる『アンリミテッド・ラヴ』を完成させた。

ここまでもつぎはぎになりながら前進し続けた彼らだが、タイトル通り「無限の愛」を抱えて、彼ららしくチープなネオン管を恐らくロサンゼルスの夜空に輝かせながら、RHCPがいるべき場所に帰還したことを告げている。しかも、今作はリック・ルービンがプロデュースで、つまりRHCP最強の形がここで蘇ったことになる。

改めて書くまでもないが、このバンドの歴史は、傷心、喪失と再生の繰り返しで、ジョンがバンドに加入したきっかけもギタリストのヒレル・スロヴァクが亡くなったからだった。しかし、その最大の悲しみからバンドは、ジョンの加入後、世界的大ブレイク作1991年の『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』というキャリア初の金字塔を生み出した。

その後脱退したジョンが、ドラッグ中毒から今度は自らの再生をかけて1999年『カリフォルニケイション』で見事復活。成長したバンド第二の黄金期を記す金字塔を打ち立てた。つまりバンドの重要な転換期にジョンが必ず魔法を起こして来たのだ。そして今回ジョシュとの決別という残酷な決断は、ジョシュのみならず、全メンバーにも新たな傷を残すと知りながらも、バンドはさらなる飛躍の道を選んだ。

2019年12月にジョンの再加入が発表され、リハーサル初日に立ち会ったリック・ルービンは「泣いてしまった」と言っていたが、その感動の再出発の後、パンデミックを挟みながら彼のシャングリ・ラ・スタジオでレコーディングを開始した時までには、100曲も出来ていたそうだ。ジョンだからこそのケミストリーによる衝動とインスピレーションは、これぞRHCP節の黄金比を復活させながらも、音楽的に未開の地へと向かう新たなブレイクスルーをもたらしている。

前回の脱退の際は、個々のエゴや衝突も原因のひとつだったが、今回はフリーも「お互いの音を聴けるようになった」と語っていた。デビュー作から間もなく40周年の彼らの、悲しみから「無限の愛」が放たれる新章がここから始まる。フリーは、「音楽にのめり込むのが目標だった」と語り、ジョンは、「互いの愛と信念を象徴するレコード」と語る今作。彼らの友情と愛にどっぷりと浸り、その進化に聴き入り祝福して欲しい。おかえり、ジョン・フルシアンテ!( 中村明美)




レッド・ホット・チリ・ペッパーズの特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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