現在「+−=÷×(マスマティックス)」ツアーを敢行中のエド・シーランだが、待望の新曲“アイズ・クローズド”を3月24日に発表した。エドならではの完璧なポップソングとして仕上がっていて、さらにボーカルも、気持ちを盛り上げていくような素晴らしいパフォーマンスになっており、彼らしい節回しも健在だ。しかし、この歌詞がいつものような、キャラクター設定された心情吐露になっているわけではなく、実はエドの心中を歌い上げる、極めてパーソナルな歌になっているのだ。
というのも、この曲は友人のジャマール・エドワーズの急死を悼むもので、ジャマールはSBTVという音楽動画サイトを立ち上げ、エドはこのサイトで注目されるようになった経緯もあり、恩人でもあったのだ。今回の曲は5月5日リリースが明らかになった最新作『−(サブトラクト)』からの最初のシングルになるが、実はほかの楽曲でも、たとえば、妻が妊娠後に腫瘍がみつかり出産後までは手術もできないことで感じた不安などについて、掘り下げていく内容になっているそうだ。
今作の制作の間、「恐怖、抑鬱や不安などのスパイラルに落ちていったんだ。今回、ぼくは初めて聴き手が気に入る作品を仕上げようとするのをやめてみたんだ。大人として自分が今いる場所を正直に、事実として表現することに徹したんだ」とエドは明らかにしている。
さらにアルバムリリースの2日前には『エド・シーラン:The Sum Of It All』というドキュメンタリー番組も公開される。幼少期やごく初期の映像から、さまざまな苦悩に直面したここ数年の姿までを追ったもので4部構成という大作になる。その4本は同時に公開になる予定でDisney+で世界的に配信される。
実はエドはライブや作曲以外でのドキュメンタリーにはほとんど応じたことがない。実際、今回の新作は「誰もが経験する非常にパーソナルな題材に触れるので」ドキュメンタリーではその背景にあった「文脈を提供したかった」とエドはInstagramで説明している。まさにパーソナルでマルチメディアな新作リリースとなりそうだ。 (高見展)
エド・シーランの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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