現在発売中のロッキング・オン7月号では、ブラーの地元ライブと記者会見のレポートを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。
文=近藤麻美
昨年、ブラーが夏のウェンブリー公演で「再結成」を行うとアナウンスした時、新アルバムのリリースを予想した人は少なかっただろう。そして、そのアルバムの情報解禁からたった24時間後に彼らは地元コルチェスターの小さなステージに立っていた。
今回のギグは7月のスタジアム2公演を控えたウォームアップの初日で、コルチェスター・ギグは、デーモン、グレアム、そしてデイヴの3人にとってはホームカミングとなる。つまり、9枚目の新作『The Ballad of Darren』のリリース発表直後にこの地をこのタイミングで選んだのは、アレックスがライブ前の記者会見でも述べた「4人で基本に戻る」ための場所だったからだろう。
開演10分前に会場に着くと、周りには100人ほどの人だかりができている。訊くと、チケットを持たないファンが最後の祈りをかけてやってきたようだ。たった400人のラッキーな当選者がそれを諦めるなんてことはあり得ないが、もしかしたら、せめて音だけでも聴ければ、と思っているのかもしれない。
会場となったコルチェスター・アーツ・センターは、元々は教会だったということもあり、アーチ形の高い吹き抜けの天井が特徴的だ。べニュー自体が縦長なので、ステージは狭いが奥行きがあり、ドラムセットの奥にはステンドグラスが美しく光を反射している。400人の熱気に包まれながら、70年代ソープオペラ『クロスロード』のテーマでメンバー登場。
デーモンが「グッド・イーブニング。新曲“St.Charles Square”から始めるよ」と告げ、グレアムのクランチーなギターが会場全体をノイズで包む。ギターの不協和音と重いベースライン、ミッドテンポのリズム。初めて聴くのにこれぞブラーと思わせるポジティブなチューン。誰よりも先にライブで聴くことのできる特権に観客は嬉しさを隠し切れない。(以下、本誌記事へ続く)
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