現在発売中のロッキング・オン1月号は、1年を締めくくる2023年洋楽ベストアルバム特集! アルバムだけでなく、リイシュー作品、来日公演、イベント、洋楽ライター陣による座談会、そしてジャンルを細分化したシーン別の徹底考察で、今年の洋楽シーンを徹底的に読み解きます。
今回は、選出作品の一部をご紹介!
【No.12】
ミツキ『ザ・ランド・イズ・インホスピタブル・アンド・ソー・アー・ウィ』
ミツキの個人史において、本作がエポックメイキングな傑作であるのは間違いない。エレクトロポップ調の前作から一転、本作は彼女の体温が隅々まで感じられる、より有機的でアコースティックなアルバムとなった。古のバロックからネオクラシカル、さらには瞑想的な現代音楽のドローンまで、ミツキはオーケストラとコーラス隊を率いて伸縮自在の空間を作り出していく。そこで現実と夢の間をゆらゆら揺蕩う快感に浸りながらも、常に彼女が自分のすぐ隣にいると思える感情的な近さも特筆すべき点だ。無邪気なようにも、すべてを諦めたようにも聞こえる彼女の声が、これほど直に耳に触れ、心が震わされる作品は未だかつてない。ポップという意味では前作のほうが意識的だったはずだが、ミツキは本作の“My Love Mine All Mine”で初の全米シングルチャート入りを達成、思いがけず過去最大のポップヒットを飛ばす結果に。(続きは、ロッキング・オン1月号にて)
「2022年の洋楽ベストアルバム」特集の記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。