ピーター・ガブリエル、21年ぶりの新作『i/o』が全英チャート1位! 70年代プログレ時代からUKロックの進化を体現してきた彼が、数々の名曲を語り尽くした超貴重インタビュー!

rockin'on 2024年3月号 中面

現在発売中のロッキング・オン3月号では、ピーター・ガブリエルのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「(ユングの)何か自分よりも絶対的に大きな存在に憑りつかれてしまったような感覚というのが、凄くいいなと思ったんだ。
その感覚は、アフリカ音楽を探求するヨーロッパ人が多かれ少なかれ味わうものだよ」


ピーター・ガブリエルがジェネシスを去った際、彼はその理由を畑仕事に打ち込むためだと語っていた。英国出身のプログレロックバンドは長編コンセプト作『幻惑のブロードウェイ』でようやくメインストリームシーンにおいてブレイクを果たしたところで、世界的スーパースターダムへと登り詰めようという、まさにその瀬戸際に立ちながら、この謎多きフロントマンは、も沢山だと宣言したのだ。

彼がコッツウォルズに所有する小さなコテージの畑でキャベツを育てるのに十分な時間が必要だったというのは本当だが、実は当時彼はそれとは別に、養育と成長に注意を必要とするもっと重大な問題を抱えていたのだった。1974年、彼の娘のアンナ・マリーは逆子で生まれた直後から深刻な感染症にかかり、生後6ヶ月間ずっと生死の境をさまようことになったのである。

年若き父親として娘の面倒を見ながら、それからの2年間を世界の宗教や芸術、哲学についての本を読んで過ごし、アフリカ、アジア、南米の音楽に関する知識を広げ、早くからパンクとポストパンクの熱心な信奉者となった(ブレイク前のセックス・ピストルズのショウにも何度も足を運んでいたという)。

そして、こうした旺盛な進取の気性と実験性、知性の探求は、それから間もなく世に出ることとなった不朽の名作『ピーター・ガブリエルⅢ(別名『Melt』)』や、世界制覇を成し遂げた『So』を含む数々のファンタスティックなアルバムに確実に活かされている。この激動を伴った最初の変化と成長の時代は、1976年に起こったあと2つの誕生によって区切りが打たれた。彼のソロキャリアの始まり、そして次女メラニーの誕生である。

メラニー・ガブリエルが父親のバンドでバックボーカルを担当するようになってもうかなりの年月が経ち、2011年の作品『ニュー・ブラッド』――オーケストラと共に演奏された彼の曲のコレクション――でも、彼女はめくるめく音世界を構成するミュージシャンのひとりとして参加している。収録曲は彼のキャリア全体から選び抜かれてはいるが、今作は決してド派手なウェストエンドのミュージカル式に仕立て直したグレイテストヒッツなどではない。
(以下、本誌記事へ続く)



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